百怪堂2023年1月1日アマビエアマビエ ◯掲載 京都大学附属図書館蔵、弘化3年4月中旬刊行の木版画 ◯地域 肥後国海上 ◯概要 京都大学附属図書館に収蔵される木版画に描かれる。この木版画の刊行は弘化3年とされ、左面には“アマビエ”の絵が描れ、右面には以下の内容の文章が記される。...
百怪堂2022年12月30日スグリ藁スグリ藁【スグリワラ】 ◯地域 玉名郡平井村(現・荒尾市) ◯概要 昔、平井村の上人原(ショウニンバル)に、スグリ藁という狐がいた。スグリ藁に化けるのが一番得意だったのでこの名で呼ばれた。 ある時、寺の坊さんが上人原に仏さんの花を採りに行った。ちょうど長洲の魚売りが関の町へ...
百怪堂2022年12月28日八体竜王八体竜王【ハチタイリュウオウ?】 ◯地域 中通村(現・阿蘇市一の宮町中通) ◯概要 雷(ライ)が降下したものを祀った神で、夕立の中、天に昇る竜が落ちたのだという。木彫仏であり、仏は頭から胴まで真っ二つに割れており、新しく作れば雷が落ちるという。...
百怪堂2022年12月27日長者の祟り長者の祟り【チョウジャノタタリ】 ◯地域 上天草市龍ヶ岳町 樋島 ◯概要 昔、樋島が大飢饉で非常に苦しんだことがあった。そのとき、多くの金を海向こうの田浦の長者に融通してもらった。ところが、幾年経っても返済しない。田浦の長者はいよいよ厳しく催促してきた。...
百怪堂2022年12月26日シブヤサンシブヤサン ◯地域 天草郡高戸村(現・上天草市龍ヶ岳町高戸) 天草郡姫戸村姫浦(現・上天草市姫戸町姫浦) ◯概要 天草郡高戸村周辺に伝わる。共通して河童の神とされる。 天草郡高戸村 各部落に祀られているシブヤサンは、海中から取ってきたらしい自然石が御神体である。その中のひと...
百怪堂2022年12月25日大塚どん大塚どん【オオツカドン】 ◯地域 人吉市西大塚町 ◯概要 直径約30mの小高い円型状の雑木林にある自然石である。直径1.8m、高さ3.6m位のやや卵型の大石が直立している。来歴は不明だが、住民の話によれば、昔大塚という庄屋殿が修行をした場所だという。...
百怪堂2022年12月24日馬盗賊の大蛸馬盗賊の大蛸【ウマトウゾクノオオダコ】 ◯地域 天草郡佐伊津村(現・天草市佐伊津町) ◯概要 昔、佐伊津の浜には多くの馬が放し飼いにされていた。ところが人知れず馬の数が段々減っていくことに気がついた。何者が盗むのかと、番人の若者は絶えず注意していた。...
百怪堂2022年12月24日狐長者狐長者【キツネチョウジャ】 ◯地域 天草郡下浦村(現・天草市下浦町) ◯概要 下浦村の某家、これは現在天草で1、2を争う金持ちと言われている。この家が金持ちになったきっかけの話である。 某家はもと代々塩売りを商売としていた。...
百怪堂2022年12月23日幸右衛門の亡霊幸右衛門の亡霊 ◯地域 菊池市 ◯概要 昔、菊池の在に百姓の幸右衛門という人がいた。 どうにか生活していたが、嫁さんが長い間病気で、借金が増えるばかりだった。とうとう妻子を連れてよその土地に出稼ぎに行くことになり、田畑と家屋敷を売り払ったが、まだ借金が残った。...
百怪堂2022年12月22日雄雌の蛟竜雄雌の蛟竜【シユウノコウリュウ】 ◯地域 宇土郡小川町(現・宇城市小川町) ◯概要 小川町の阿蘇神社の境内をくぐり、石段の中央左側に雲を突くほどの大きな樟がそびえている。 慶長元年、加藤清正が築城用の木材集めのためにこの樟を伐採しに来た。一行は見分の上、一切の準備も整えたの...
百怪堂2022年12月21日鏡の巣の主鏡の巣の主【カガミノスノヌシ】 ◯地域 下益城郡豊田村(現・熊本市南区城南町鰐瀬) ◯概要 ある夜、鰐瀬区の篠塚の祖先が、悪夢のなかで大黒柱ほどの火柱が篠塚家の窓下に立った。その火柱が、老翁となって「余は鏡の巣の主なり。貴家と関係深きものなり。余が頼るべきは貴家あるのみ以後...
百怪堂2022年12月20日塩買い阿弥陀塩買い阿弥陀【シヲカイアミダ】 ◯地域 上益城郡木倉村(現・御船町木倉) ◯概要 俗称迎日山の山中に、誰がいつ建てたかも不詳で、住僧も檀家もいないお堂がある。この堂の脇にある椎の木を阿弥陀如来といっている。 ある年、国内に飢饉があり、五穀は実らず、人々は大変苦しんだ。特に食...
百怪堂2022年12月19日万作狐と太郎作狐万作狐と太郎作狐【マンサクキツネトタロサクキツネ】 ◯地域 菊池市赤星 周辺 ◯概要 昔の大津街道は、赤星からまだら坂を通っていた。この坂の少し上手こ小高い山を稲荷山と呼び、南側の日当たりの良いところに1つのほら穴があって、狐の親子が棲んでいた。親狐を万作、子狐を太郎作とい...
百怪堂2022年12月16日歳の神歳の神【トシノカミ】 ◯地域 下益城郡豊野村(現・宇城市豊野町) ◯概要 下益城郡豊野村上郷の内田にある歳の神は、大水の時に川口まで流れていったが、村の人の夢に現れて、元の所に帰ったという。またこの神様は子供が好きで、子供が木で造られた神様を、川に入れたり、抱いたり、おんぶ...
百怪堂2022年12月15日坂田金時の鎧坂田金時の鎧【サカタキントキノヨロイ】 ◯地域 阿蘇郡小国町上田 ◯概要 蔵園部落の孤田と呼ばれる杉山の麓、90㎝四方の古堂に保管されている。その昔、坂田金時が着用した鎧と伝えられるが、今はぼろぼろになっている。 この鎧に触れると祟りがあると言われ、所有主である同部落の坂田...
百怪堂2022年12月14日池の谷の大蛇池の谷の大蛇【イノタニノダイジャ】 ◯地域 瀬田村(現・大津町瀬田) ◯概要 池の谷は、瀬田村瀬田、大分係国道に面した割籠谷の北方の瀬田山の山麓にある。 昔、錦野村内牧に住んでいた農夫の娘が、この池の畔の畑に仕事に行ったが、夜になっても帰らない。...
百怪堂2022年12月13日吉ノ池の大蛇吉ノ池の大蛇【ヨシノイケノダイジャ】 ◯地域 阿蘇郡高森町草部 ◯概要 草部吉見神(彦八井命・国龍神)は健磐龍命の父である神八井耳命(かむやいみみのみこと)の弟にあたる。 吉見神は、その父神武天皇の命令で治保郷を治めることになった。吉見神はこの地方にやって来ると、まず草部の...
百怪堂2022年12月12日天草四郎時貞の妖術天草四郎時貞の妖術【アマクサシロウトキサダノヨウジュツ】 ◯地域 天草郡下浦村(現・天草市下浦町) ◯概要 天草四郎が寛永14年の乱を企てたとき、下浦村にやって来て、切支丹に一臂の力添えを願った。庄屋は、かねてより遅れている切支丹と聞いて、すぐに返答はできず、熟考の上でと断...
百怪堂2022年12月11日亀石亀石【カメイシ】 ◯地域 球磨郡一勝地村(現・球磨村一勝地) ◯概要 球磨川には亀石という巨石が川の中にあり、球磨川開発の弊害になっていた。石工などが苦心努力するも除くことができず作業は困難を極めていた。ある夜、開発に乗り出した林藤左衛門に稲荷のお告げがあり、彼はお告げに従...
百怪堂2022年12月10日火の神様火の神様【ヒノカミサマ】 ◯地域 宇土郡宇土町轟(現・宇土市宮庄町) ◯概要 昔、一人の老人が住んでいたが、火事で焼け死んだ。その後、老人の霊が火の神になって、宮庄では火事が起こらないようにしたという。 隣村の石橋や椿原で火事があったときに、白い馬に乗り消火に出かけていたと...