百怪堂13 時間前若宮さん若宮さん【ワカミヤサン】 ◯地域 牛深市(現・天草市牛深町) ◯概要 池田の防波堤のある山の麓に、四角柱の石碑がある。 これは池田沖で難破して池田の海岸に打ち寄せられた遺体を葬って、その霊を慰めるために大西家が建立した。...
百怪堂3 日前瓶棺の葛根瓶棺の葛根【カメカンノカッコン】 ◯地域 下益城郡松橋町(現・宇城市) ◯概要 緒方惟義の家老の墓と伝わる桜の大木がある。墓といっても桜があるのみで、墓石は存在しない。 享保18年(1733)貧民がこの桜の根の葛根を掘ると、瓶棺を抱いた葛根があった。貧民がこれを食すとたちま...
百怪堂6 日前黄金の鳥黄金の鳥【オウゴンノトリ】 ◯地域 阿蘇郡波野村(現・阿蘇市) ◯概要 一年の中で正月の朝一度だけ、黄金の鳥が飛んできて、ただ一声なくという。この鳥はなかなか一目につかず、この鳥を見た人は目がくらんで「めくら」になるといわれ、誰ひとり見に行こうとする人はいないという。...
百怪堂11月15日桜が池の大蛇桜が池の大蛇【サクラガイケノダイジャ】 ◯地域 上益城郡山都町 ◯概要 柏村柳から伊勢梶原に通ずる旧道の西方約330メートルに桜がある。現在は水はなく窪地となっている。 昔は池の周囲は桜の木が繁って常時水をたたえており、大蛇が住んでいた。しかもその大蛇は3つの頭であり、持ち...
百怪堂11月14日ひとみごくうひとみごくう ◯地域 肥後ある村 ◯概要 民話『トッペイロクの話』に出る怪物。 肥後のある村に”ひとみごくう”という化物が宮の神になっていた。毎年その村では、若い娘をその宮の神に生贄としてつづらに入れて捧げねば、村の作物に大きな災いがあるというので、仕方なく毎年秋になると...
百怪堂8月17日白く透けるモノ白く透けるモノ ○地域 山鹿市鹿北町岩野 ○概要 ある人が子供の頃の話。 その日はゆーかむレストランの夏祭りがあった。 夕方の薄ぼんやりとした時間になると、友達たちとみんなで肝試しをしようということで、近くを流れるい岩野川沿いを歩いていた。その人は懐中電灯を持っていたが、集...
百怪堂6月22日母ヶ島の怪火母ヶ島の怪火【ホガジマノカイビ】 ◯地域 葦北郡松橋町(現・宇城市松橋町) ◯概要 桓武天皇の延暦年代の始め頃はこの地域一帯は海であった。 この母ヶ島の海に夜な夜な怪火が現れ、里人は恐怖におののいていた。 折柄、この地を訪れた旅層の弉然大師(そうぜんだいし)がこれを聞き、舟...
百怪堂6月15日丹徳坊丹徳坊【タントクボウ】 ◯地域 阿蘇郡黒川村(現・阿蘇市黒川) ◯概要 旧黒川村竹原にある藤谷神社の祭神のこと。 大山祇神といわれ、社の創建年は不明である。 この神社は元阿蘇山三六坊の修験者の山伏や行者が廃寺となったときにここに移住してきたと言われ、この御神体は天狗ともいわ...
百怪堂6月14日とらおかめとらおかめ 〇地域 葦北郡津奈木町 〇概要 子供が泣いたりむづがったりすると、「とらおかめが来るぞ、泣けばいちかまするぞ。」と言って脅かした。この正体は、蜘蛛のお化けだという。 この魔性のものを避けるため、年末にはつるの葉と裏白のヘゴを取る。セチの木を囲炉裏でもやし、つるの...
百怪堂6月12日鼠戸城の怪火鼠戸城の怪火【ネズミドジョウノカイビ】 ◯地域 阿蘇郡久木野村(現・南阿蘇村) ◯概要 久木野村河陰の鼠戸にある城で、いつの頃の築城か不明であるが、阿蘇氏の家臣である久木野隼人守という者がこの城にいたと伝えられる。城跡は現在畑地となっている。...
百怪堂6月10日狐の化月狐の化月【キツネノバケヅキ】 ◯地域 阿蘇郡一の宮町(現・阿蘇市一の宮町) ◯概要 宮地古神の国道を西へ行くと大きな榎がある。 自然に恵まれた阿蘇には美しい月が出るが、この古神は月の眺めが素晴らしい。大きな枝を大空に張った榎の間から眺める月はとりわけ有名であった。宮地の人た...
百怪堂6月8日ヤコウ憑きヤコウ憑き【ヤコウツキ】 ◯地域 人吉市下永野町 ◯概要 人吉市下永野町でいう狐憑きの事。 ある妊婦が病気に罹った。そのため、祈祷師に聞いたら、不動を拝めと言う。そこの祈祷師は不動を祀っていたため、家に不動を祀り、拝んだところ、病気が重くなった。...
百怪堂6月7日薙刀岩薙刀岩【ナギナタイワ】 ◯地域 南小国町 ◯概要。 城野尾岳頂上にある大石で、この大石の頂上に小さいへこみがある。そのへこみにはいつも水が溜まっており、これが乾いていればその年は旱魃であるといわれる。 以前は旱魃のときにこの石に登ってみれば乾いていると、部落民が集って雨乞を...
百怪堂6月4日きんかんばばあきんかんばばあ 〇地域 熊本市など 〇概要 ターボババアやジェットババアなどの高速老婆系統の怪。 金峰山・竜田山・東バイパスで目撃されている。 その姿は多様に語られ、「金柑を山ほど持っている」「顔が金柑のように小さい」など、名前に由来する特徴を持つ場合が多い。一方で両手に金...
百怪堂6月3日魔の子魔の子【マノコ】 〇地域 天草地方 〇概要 異類の子を孕む話が天草にもある。 昔、ある家の娘が誰にも知られず腹が大きくなった。不思議に思って医者に見せると、子供を産むと言った。親は娘に通う男を見届けようと思って乳母に番をさせたが誰も来ない。その相手は娘にだけ見えているが、ど...
百怪堂5月25日海坊主海坊主【ウミボウズ】 ◯地域 天草郡二江村(現・天草市五和町) ◯概要 通詞島の近くの松林の鼻に夜釣りに来ていた親子が、入道坊主を見たという。 その後ひどい病を患い、それ以来決して夜釣りに行かない事にしている。 村人もこれ以来そこでは釣りをしないという。 ◯参考文献...
百怪堂2023年10月2日蟻除けの神蟻除けの神【アリヨケノカミ】 ◯地域 天草郡櫨宇土村(現・天草市枦宇土町) ◯概要 櫨宇土村の帽子岳の頂上に小さな祠がある。 自分の家や屋敷に蟻が多くて困るときは、その蟻を1匹捕まえてこの頂上神に参ると忽ちいなくなる。また参るときはこちらから砂を少し持って行き、山上で神様付...
百怪堂2023年10月1日嵯峨池の蛇嵯峨池の蛇【サガイケノヘビ】 ◯地域 阿蘇郡産山村 ◯概要 嵯峨神社の東側に大きな池があり、ここに蛇が住んでいた。後山の椿山池の主を兼ね、神通力を持っていたため、里人はこの蛇を恐れて神として祀ったという。 ◯参考文献 『管内実態調査書.熊本編補遺』熊本県警察本部警務部教養課...
百怪堂2023年9月30日赤いうにょうにょ赤いうにょうにょ【アカイウニョウニョ】 ◯地域 熊本市東区山ノ内 ◯概要 ある人が小学3年生のころ、昼間外で遊んでいて友達と空を見上げると赤くて細いウニョウニョうごくものが空に浮かんでいたという。早くはなく浮遊しており、しばらく眺めて、次に目をやると消えていた。 ◯参考文献...
百怪堂2023年9月29日いっちょ目いっちょ目【イッチョメ】 ◯地域 玉名郡長洲町梅田 ◯概要 中山栄氏宅の後ろにコンクリート塀を区切って地蔵尊が安置されている。 中山氏の母堂、中山テキ氏(明治30年生まれ)が幼いころ、近所の年寄りに聞かされた話によると、昔ここには「いっちょ目」が出て人を驚かしていたが、地蔵...