ヤコウ憑き【ヤコウツキ】
◯地域
人吉市下永野町
◯概要
人吉市下永野町でいう狐憑きの事。
ある妊婦が病気に罹った。そのため、祈祷師に聞いたら、不動を拝めと言う。そこの祈祷師は不動を祀っていたため、家に不動を祀り、拝んだところ、病気が重くなった。
そこで祈祷してもらうと、病人はピョンピョンと飛んでヤコウ(狐)の真似をしたという。騒ぐのでフドウの木に縛ったら「饅頭を食べたら出て行く」と言ったので食べさせた。すると、十六個の饅頭を食べたという。これはヤコが加勢したためだろうという事だった。
この祈祷師は、ヤコ使いと言われている。その後病気は良くなり、無事に頭の良い子ができたという。
◯参考文献
成城大学民俗学研究会編『伝承文化』通巻10号 1976年3月
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