若宮さん【ワカミヤサン】
◯地域
牛深市(現・天草市牛深町)
◯概要
池田の防波堤のある山の麓に、四角柱の石碑がある。
これは池田沖で難破して池田の海岸に打ち寄せられた遺体を葬って、その霊を慰めるために大西家が建立した。
その家では毎年、唐千田の祭礼当日、神主を招いて慰めてもらっていたという。
土地の人々は若宮さんと呼んで、この碑にいたずらをすると祟りがあると恐れていた。
底面40.4cm、高約1m20㎝。正面と左右三面上部に人の胸像があり、その下にはそれぞれ異なった文字が刻まれている。ただ破損が著しく読み取ることが困難である。
原書執筆時の当主によれば、中央の文字は死者の戒名、年月日は死亡日または遺体発見日だろうという。
◯参考文献
池田主雄『牛深市・魚貫の民俗と歴史』池田主雄、1982年
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