百怪堂2022年12月11日亀石亀石【カメイシ】 ◯地域 球磨郡一勝地村(現・球磨村一勝地) ◯概要 球磨川には亀石という巨石が川の中にあり、球磨川開発の弊害になっていた。石工などが苦心努力するも除くことができず作業は困難を極めていた。ある夜、開発に乗り出した林藤左衛門に稲荷のお告げがあり、彼はお告げに従...
百怪堂2022年12月10日火の神様火の神様【ヒノカミサマ】 ◯地域 宇土郡宇土町轟(現・宇土市宮庄町) ◯概要 昔、一人の老人が住んでいたが、火事で焼け死んだ。その後、老人の霊が火の神になって、宮庄では火事が起こらないようにしたという。 隣村の石橋や椿原で火事があったときに、白い馬に乗り消火に出かけていたと...
百怪堂2022年12月9日大えい大えい【オオエイ】 ◯地域 松合町(現・宇城市不知火町) ◯概要 長尾神社台地から北に続く後方高地を鎌戸山といって、丸みを帯びた草原の丘がある。 ここは昔、大きなえいが宇土半島を乗り越えようとして居座ってできたものだという。またこのえいを捕えようとして網を張ったとも云う。こ...
百怪堂2022年12月8日烏賊淵烏賊淵【イカブチ】 ◯地域 八代市二見洲口町 ◯概要 現在、八代市洲口町の民有地にある。淵の上方には鉄漿壷、江尊壷などのくぼみがあり下方に小さな淵がある。昔、この付近は海であったが山上に小池があり烏賊がいたために、高い声を出すと墨を吹く。そのため、水が黒くなると言い伝えられ...
百怪堂2022年12月7日火除けの妙光火除けの妙光【ヒヨケノミョウコウ】 ◯地域 葦北郡湯浦町(現・葦北郡芦北町湯浦) ◯概要 文久初年(1681年)秋頃、葦北郡湯浦町大字丸山字上久の川の某家に薩摩節の流れを汲んだ武士が訪ねてきて一夜を明かした。武士は居心地が良かったのか、大事に腹深く所持していた1巻の書物を出...
百怪堂2022年12月6日蜘蛛女房蜘蛛女房【クモニョウボ】 ◯地域 阿蘇のある村 ◯概要 阿蘇のある村に、とにかくケチな男がいた。年頃になったので、親戚達もそろそろ嫁をもらったらどうかと勧めるが「嫁をもらったら、飯を食わせないといけない。馬鹿らしい話だ。飯を食わない女がおるなら、もらってみても良いよ」と言っ...
百怪堂2022年12月5日あさごぜ婆さんあさごぜ婆さん【アサゴゼバアサン】 ◯地域 阿蘇郡小池村(現・阿蘇市小池) ◯概要 山田の小池村のあさごぜ婆さんは、琵琶を弾くのが上手だった。ごぜというのは琵琶を弾く人のことをいう。 あさござ婆さんの息子は猟が好きで、冬、田畑の仕事がなくなるとよく山へ出かけた。...
百怪堂2022年12月4日三つの火の玉三つの火の玉【ミッツノヒノタマ】 ◯地域 玉名郡南関町 ◯概要 能田太郎氏の弟は町で呉服屋をしている。深夜、その家の表2階のガラス窓から、火の玉が3つも出て墓地の方向へ飛んで行ったのを見たという人がおり、町でもっぱらの噂だった。弟はもう4、5年呼吸器を悪くしてぶらぶらしてい...
百怪堂2022年12月4日変生男子変生男子【ヘンセイナンシ】 ◯掲載誌 根岸鎮衛『耳嚢』に載る。 ◯地域 天草郡大浦村(現・天草市有明町大浦) ◯概要 肥後国天草郡大浦村(熊本県天草市有明町大浦) 文化3年寅(1806年)の夏、肥後国天草郡大浦村の嘉左衛門の娘やなが、26歳で男子になった。江戸城殿中の雑談の...
百怪堂2022年12月3日飯盛さん飯盛さん【メシモリサン】 ◯地域 天草郡崎津村(現・天草市河浦町崎津) ◯概要 昔、赤鞘の二本差しの武士から飯盛さんが追いかけられていた。桶屋の家にたどりつき、「自分は追いかけられているから、追っ手に教えてくれるな。その代わり自分の所持品を全部あげるから」と言って与え、飯盛...