百怪堂2022年6月22日老松の怪火老松の怪火【ロウマツノカイビ】 ◯地域 玉名郡南関町関町 ◯概要 明治26年の8日、丁度日清戦争の始まる前年、南関町大字関町字城ン原、豪地の上の十年役戦死者の官軍墓地境内にあった老松(周囲2丈余り)が台風で倒れる前夜か前々夜の事。老松の樹上に、幾つかの赤い火の玉が暫くの間灯...
百怪堂2022年6月21日製鉄蟹製鉄蟹【セイテツガ二】 ◯地域 山鹿市鹿本町 ◯概要 鍛冶屋(梶屋のことか?)の小畑に白い岩水の湧く溜りがあって、その水で鍛えた刀は、素晴らしい切れ味を示し名刀を生むというので、その付近には刀鍛冶が多く棲みついていた。村では鍛治屋敷と呼んだ。...
百怪堂2022年6月20日ウグメン子抱かしゅうウグメン子抱かしゅう【ウグメンコダカシュウ】 ◯地域 山鹿市新町 ◯概要 墓原丁には町でも一番古い墓所がある。その中を一本会所の方と、藤井の方に抜けている路が通っている。すぐ先には光運寺というお寺があって、墓石がたくさん並んで建っている。ある晩の事、隣り丁のおよしという若い...
百怪堂2022年6月19日石棺の精女石棺の精女【セキカンノセイジョ】 ◯地域 鹿本町日ノ岡山(現・山鹿市蒲生 日ノ岡山) ◯概要 猪の窪というところに、いつの頃よりとも知らず一つの古墳があった。古墳には墓石もなく、ただ山石が1、2個あるだけであった。 宝暦の初め頃、ある農夫が誤ってその墳墓を壊してしまった。そ...
百怪堂2022年6月18日八つ頭の大亀八つ頭の大亀【ヤツガシラノオオガメ】 ◯地域 鹿本郡鹿央町(現・山鹿市鹿央町千田) ◯概要 昔、茂賀の浦と呼ばれる大きな湖があり、ここを景行天皇がこのを通られた。 お迎えに出た阿蘇大明神が湖を眺めていると、湖の底から呻き悲しんで泣くような声が聞こえてきた。不思議に思って今の...
百怪堂2022年6月17日狐の嫁入り狐の嫁入【キツネノヨメイリ】 ◯地域 玉名郡南関町関町 ◯概要 南関町大字関町の出はづれで、大字関下字迎町は30年程前までは、淋しい桑畑であった。 その辺から狐火が出て、当時工事を終わったばかりの新佐世保街道に沿って明滅しながら中山の裾野まで行列を成し、見たという人が多かっ...
百怪堂2022年6月16日山法師塚山法師塚【ヤンボシヅカ】 ◯地域 阿蘇郡馬見原町(現・山都町馬見原) ◯概要 馬見原の南にある小丘明十九山頂に、その昔、ある山法師が来た。様々な行を成していたが、自ら掘った穴に生き埋めとなり死に至った。町人は憐み、小杉をその上に植え、山法師塚と呼ぶようになった。...
百怪堂2022年6月15日雷の童子雷の童子【カミナリノドウジ】 ◯地域 熊本市中央区坪井 報恩寺 ◯概要 報恩寺では、寛文13年(1673)の夏、井戸に激しい稲妻と共に雷が落ちたので、住職が法力を以って封じ込めた。 雷は、枯れ井戸の中で必死に救いを求めるので、住職は「私の教えに従うのなら助けてやる」と言った...
百怪堂2022年6月14日塩井の池塩井の池【シオイノイケ】 ◯地域 阿蘇郡白水村中松二区(現・南阿蘇村中松) ◯概要 この池を貯めるためになんべんもともをついても、ともが崩れる。神様にお祈りをかけたところ人身供養をあげたら良かろうというお指示があった。 そこで庄屋がどうしたら良かろうかお言っていると、そのう...
百怪堂2022年6月13日ヤクザルヤクザル ◯地域 八代郡上松求麻村(現・八代市坂本町中津道) ◯概要 時々、古い大きな猿が群れから離れて行動することがある。これを”ヤクザル”と言って気味悪く考えており、何かくれてやらねば災いがあるという。河童を取りに行って群れから離れたものだともいう。...