百怪堂2022年7月5日猫の祟り猫の祟り【ネコノタタリ】 ◯地域 栖本村平木場(現・天草市栖本町湯船原) ◯概要 栖本村平木場の人で、家に飼っている猫を非常に虐待し、遂には残酷にも戸の前に首を挟んで絞め殺した。するとその晩から何か解らぬ病気になりどうしても治らない。...
百怪堂2022年7月4日鼻欠け地蔵鼻欠け地蔵【ハナカケジゾウ】 ◯地域 天草郡佐伊津村(現・天草市佐伊津町) ◯概要 佐伊津村の隅田川に沿って上ること7、8町で、田に面した少し高みに延命地蔵堂がある。諸願霊験あらざるなしと、人々の信仰は実に厚く、その灼然(いやちこ)な事は遠く海を越えて島原までも及ぶという。...
百怪堂2022年7月2日さけん松さけん松【サケンマツ】 ◯地域 天草市五和町御領、天草市佐伊津町 ◯概要 御領と佐伊津の境に”さけん松”というのがある。境の松の佐伊津訛りである。 この松の木に大きな足が下がるというので、ある剛胆な男が、俺が退治して見せると言って出かけた。そして出るときに、うちの者にけして...
百怪堂2022年7月1日猫屋敷猫屋敷【ネコヤシキ】 ◯地域 阿蘇山 根子岳 ◯概要 今の大分県直入郡のある村に、びんつけ屋(頭髪用の油壷)を営む行商人の男がいた。 ある年、行商の帰りに根子岳の麓から阿蘇町に抜ける途中、とっぷりと日が暮れてしまった。困ったナと思っていると、根子岳の山手から何やら人の声がす...
百怪堂2022年6月30日永国寺の幽霊永国寺の幽霊【エイコクジノユウレイ】 ◯地域 人吉市土手町 永国寺 ◯概要 ある夏の夜の事、永国寺の開山(応永16年)・実底は涼を求めて境内の古池の畔を歩いていた。すると、女の幽霊が現れ、「成仏できずに迷っていますから助けてください。」と頼んだ。そこで、住職が事情を聞いてみ...
百怪堂2022年6月27日雲を呼ぶ竜雲を呼ぶ竜【クモヲヨブリュウ】 ◯地域 山鹿市鹿本町下梶屋 綿津見神社 ◯概要 江戸時代の末、文化年間、下梶屋(鹿本郡鹿本町)の隣の部落・袋田に甚三という大工がいた。甚三は後世に残る様な彫刻が彫りたいと、日夜、八竜宮に参拝していた。...
百怪堂2022年6月26日天狗の奏楽天狗の奏楽【テングノソウガク】 ◯地域 鹿本郡鹿本町(現・山鹿市鹿本町) ◯概要 大雨が降ると、必ず日ノ岡山から奏楽の音がする。これは日ノ岡の天狗の仕業であるという。 ある日、日ノ岡に大雨が降って一時はなだらかな美しい山肌が、崩れるのではないかと思われるほどであった。ようや...
百怪堂2022年6月25日千願寺さん千願寺さん【センガンジサン】 ◯地域 天草市有明町 ◯概要 昔、千願寺さんというお坊さんがいた。背中に「おにびつ」という箱を背負って寺々を千個所巡り、修行していたそうだ。 これは、ある一人の千願寺さんの話である。天草の地に渡ってきたのですが運悪く病気になって、とうとうあるお...
百怪堂2022年6月24日切り板切り板【キリイタ】 ◯地域 天草郡御領村(現・天草市五和町御領) ◯概要 御領村のけーくびという所には、夜になると切り板がぶら下がっていて、人がもしそれに突き当たると化かされるという。 下がる怪異です。今回は「切り板」ですが、熊本にはこの他にも類する怪異が伝わっております。...
百怪堂2022年6月23日丸焼きにする火の玉丸焼きにする火玉【マルヤキニスルヒノタマ】 ◯地域 天草郡鬼池村(現・天草市五和町) ◯概要 昔、肥前の人が鬼池村に漁に出た。他国人だと言うので鬼池こ人々が集まって、肥前の男を散々な目に遭わせた。それが元で病気になって死んでしまった。それから毎晩大きな火玉が鬼池に飛んできた...