永国寺の幽霊【エイコクジノユウレイ】
◯地域
◯概要
ある夏の夜の事、永国寺の開山(応永16年)・実底は涼を求めて境内の古池の畔を歩いていた。すると、女の幽霊が現れ、「成仏できずに迷っていますから助けてください。」と頼んだ。そこで、住職が事情を聞いてみると、「自分は木上(球磨郡錦町)の郷士の妾であったが本妻の嫉妬により、いびり殺されてしまった。」と訴えるのである。
住職は「では、お前の姿を絵にかいて、成仏できるように供養してやるから、今夜から毎晩ここに来るがよい。そのかわりに7日が過ぎたら決して娑婆に現れるでないぞ。」と説き、その晩から世にも不思議な幽霊描きの作業が始まったのである。
永国寺は、代々この掛軸を秘宝として大切にし、盆明けの17日、1日だけ開帳し供養することになっていたが、最近では「幽霊祭り」の呼称で8月第1土曜日に催されている。
幽霊の掛軸は今でも永国寺で拝観できます。
◯参考文献
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