百怪堂2022年7月21日大きな首大きな首【オオキナクビ】 ◯地域 天草郡高戸村(現・上天草市龍ヶ岳町高戸) ◯概要 昔、高戸村おぼんがみという山に、大きな櫨の木が一本立っていた。毎晩、夜更けになるとその木の枝に大きな首がぶら下がっていて、人々は怖がっていた。...
百怪堂2022年7月20日御輿入道御輿入道【ミコシニュウドウ】 ◯地域 天草郡一町田村(現・天草市河浦町河浦) ◯概要 ある男が、一町田村下田の釜の一本道を通っていた。すると大きな入道が現れて、前に立ち塞がり舌をベロベロ出して一舐めに舐めてしまった。男は恐ろしくて松の根方に座り、生きた心地もせずつく匍ってい...
百怪堂2022年7月19日蛇神様蛇神様【ヘビガミサマ】 ◯地域 葦北郡湯浦町(現・葦北郡芦北町湯浦) ◯概要 湯浦町丸山の野間に本体は赤蛇で、頭に白い輪があり大きさも杉箸位と言われているが、本体は見てはならない。見れば憑りつかれると恐れられている。春の彼岸の中日には、参詣人が多い。なお憑かれると急性神経痛...
百怪堂2022年7月18日南国の巨人南国の巨人【ナンゴクノキョジン】 ◯地域 天草郡本戸村(現・天草市本渡町本戸馬場) ◯概要 本戸村大字水ノ平と西ノ窪の中間に長さ4間(約7メートル)程の沼がある。 昔、南の国に身の丈が数十丈の巨人が居た。足の腹の長さが5間(約9メートル)近くもあった。この男が時々雲仙岳に薪...
百怪堂2022年7月17日鎌倉どん鎌倉どん【カマクラドン】 ◯地域 天草郡高濱村(現・天草市天草町) ◯概要 高濱村の湾の両岸は間が20町(約2キロ)程ある。昔、ここに跨って顔を洗っていた巨人がいた。その巨人の足跡というのが、今は畑になっている。鎌倉どんの足跡と言って、畑は丁度人間の足跡の形になっている。...
百怪堂2022年7月16日けだものが喜ぶ唄けだものが喜ぶ唄【ケダモノガヨロコブウタ】 ◯地域 天草郡牛深村宮崎(現・天草市牛深町宮崎) ◯概要 牛深宮崎に「平蔵どん」と言う片目の爺さんがいて按摩をしていた。この爺さんは、牛深中のことならどんな山奥でも知っていると言われている人であり、また歌の名人である。そして他の者...
百怪堂2022年7月10日御辛労池の主御辛労池の主【ゴシンロウイケノヌシ】 ◯地域 玉名郡八幡村(現・荒尾市) ◯概要 八幡村山間の草道の側に小池がある。享保年間8月1日、ある農夫が鮒やどじょうなどを獲ろうと、土手を落とし、池を干そうとしたが容易には減らない。大勢を呼び、汲み流しても水は尽きなかった。...
百怪堂2022年7月9日白馬の首白馬の首【サメウマノクビ】 ◯地域 阿蘇郡山西村 俵山(現・阿蘇郡西原村小森 俵山) ◯概要 昔、行景天皇が九州地方を征伐された時、俵山の麓にお泊りになったことがあった。近くに湧き出る水があまりにも綺麗なので、用水にされた。その頃から古池どん、池どんの2つの池があったという...
百怪堂2022年7月7日星と墨星と墨【ホシトスミ】 ◯地域 天草郡二江村(現・天草市五和町二江) ◯概要 二江村では、隅なく冴え渡った空に星が輝く夜、顔や体のどこかに墨をつけて落とすのを忘れていると、その者に星が落ちてくるという。 本件は分類としては俗信の様に思いますが、投稿日である本日は七夕と言うこと...
百怪堂2022年7月6日幽霊火の行列幽霊火の行列【ユウレイビノギョウレツ】 ◯地域 天草郡宮田村(現・天草市倉岳町) ◯概要 ある晩、宮田村のせさきという岬角から数十の火が上がり、宮田の寺の方へ続いて飛んでいった。坊さんは夜を徹して大施餓鬼を行なって、夜が明ける頃にやっと納めることができたという。 ◯参考文献...