top of page
検索
百怪堂

大きな首

大きな首【オオキナクビ】


◯地域



◯概要

昔、高戸村おぼんがみという山に、大きな櫨の木が一本立っていた。毎晩、夜更けになるとその木の枝に大きな首がぶら下がっていて、人々は怖がっていた。

ある日、1人の漁師がその木に網をくくりつけておいた。その夜、漁師は自分の家である船の中で眠ろうとすると、甲板から大きな首がぶらりとぶら下がったので大仰天して、船を捨てて逃げたという。その木は、伐り倒されていて今はもうない。



 

『天草島民族誌』では“狸の悪戯”のタイトルで載るお話です。本文に狸のたの字も出てこないので、今回は大きな首とさせて頂きました。

しかし、追ってくるとは執念深い首です。


 

◯参考文献

閲覧数:19回0件のコメント

最新記事

すべて表示

若宮さん

若宮さん【ワカミヤサン】 ◯地域 牛深市(現・天草市牛深町) ◯概要 池田の防波堤のある山の麓に、四角柱の石碑がある。 これは池田沖で難破して池田の海岸に打ち寄せられた遺体を葬って、その霊を慰めるために大西家が建立した。...

瓶棺の葛根

瓶棺の葛根【カメカンノカッコン】 ◯地域 下益城郡松橋町(現・宇城市) ◯概要 緒方惟義の家老の墓と伝わる桜の大木がある。墓といっても桜があるのみで、墓石は存在しない。 享保18年(1733)貧民がこの桜の根の葛根を掘ると、瓶棺を抱いた葛根があった。貧民がこれを食すとたちま...

黄金の鳥

黄金の鳥【オウゴンノトリ】  ◯地域 阿蘇郡波野村(現・阿蘇市) ◯概要 一年の中で正月の朝一度だけ、黄金の鳥が飛んできて、ただ一声なくという。この鳥はなかなか一目につかず、この鳥を見た人は目がくらんで「めくら」になるといわれ、誰ひとり見に行こうとする人はいないという。...

Comments


bottom of page