大きな首【オオキナクビ】
◯地域
◯概要
昔、高戸村おぼんがみという山に、大きな櫨の木が一本立っていた。毎晩、夜更けになるとその木の枝に大きな首がぶら下がっていて、人々は怖がっていた。
ある日、1人の漁師がその木に網をくくりつけておいた。その夜、漁師は自分の家である船の中で眠ろうとすると、甲板から大きな首がぶらりとぶら下がったので大仰天して、船を捨てて逃げたという。その木は、伐り倒されていて今はもうない。
『天草島民族誌』では“狸の悪戯”のタイトルで載るお話です。本文に狸のたの字も出てこないので、今回は大きな首とさせて頂きました。
しかし、追ってくるとは執念深い首です。
◯参考文献
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