百怪堂2022年6月12日金ン主金ン主【カネンヌシ】 ◯地域 天草郡浦村名切(現・天草市倉岳町浦) ◯概要 浦村名切の橋の本という所に石の眼鏡橋がある。その付近は杉や松の茂みで、夜は少し気味が悪い。 大晦日の真夜中にここに行くと、金ン主というのが立っている。武士の様な姿をしているという。この金ン主と力比べ...
百怪堂2022年6月11日トベカブロトベカブロ ◯地域 上益城郡御船町滝尾 ◯概要 滝尾字水越に萱のトベ(屋根)のある小さい祠がある。 昔、神様を厚く信仰する者がおり、お伊勢参りの帰途、袂に石が入っているので捨てた。しかし、いつのまにかまた入っており、何回捨てても入っている。...
百怪堂2022年6月10日クワンした猫クワンした猫【クワンシタネコ】 ◯地域 下益城郡砥用町(現・美里町) ◯概要 この地域では歳を取って神通力を持ってきた猫のことを”クワン”すると言い恐れられている。クワンした怪猫はまた、”山猫”とも呼ばれ、化けたり、歌ったりもできる。 ◯参考文献...
百怪堂2022年6月9日井手口の人柱井手口の人柱【イテグチノヒトバシラ】 ◯地域 熊本市中央区迎町 ◯概要 いつの頃からかはっきりしないが、恐らく加藤清正の時代であったであろう。井手口の堤防を築いた時、石垣が何回築いても崩れるので、長六橋の下にあった家の娘を人柱としてその石垣の堤防の中に埋めてしまった。その為...
百怪堂2022年6月8日下野の大蛇下野の大蛇【シモノノダイジャ】 ◯地域 阿蘇郡長陽村下野(現・南阿蘇村下野) ◯概要 南郷谷から来たという女の人が病気をして、下野のつつみの水が飲みたいというので、牛に乗せらて下野のつつみに来た。そこで水を飲ませようとしたら池の中へ飛び込んで、蛇の姿になった。お父さんがもう...
百怪堂2022年6月7日左京が橋左京が橋【サキョウガバシ】 ◯地域 阿蘇市黒川 阿蘇山中岳 ◯概要 大蛇のはらわたの形をした赤い溶岩石の上に小さな一枚板があってこれを左京が橋という。 邪な行いをした人はこれを渡れないという。女の人は髪がおっぽりさ(逆毛立って)になって渡れず、男の人は逆立ちして元の姿に戻れ...
百怪堂2022年6月6日轆轤っ首轆轤っ首【ロクロックビ】 ◯掲載元 山岡元隣著『古今百物語評判』 ◯概要 肥後国しころ村というところに絶岸和尚という僧が宿泊した。その夜は風が凄まじく寝られぬまま念仏を唱えていると、丑三つ時、その家の女房の首が伸びて窓から外に抜け出し、首の通った跡には白いスジが見えていた。...
百怪堂2022年6月6日坂梨の猫坂梨の猫【サカナシノネコ】 ◯地域 阿蘇町坂梨(現・阿蘇市一の宮町坂梨) ◯概要 阿蘇町坂梨では、猫が一貫目(3.75キロ)になると、半年ばかり姿を消すことがあるという。それは猫岳に参りに行くからで、帰ってきた猫は尻尾の先が2つに分かれ、口は耳まで裂けているという。...
百怪堂2022年6月5日戦争に行った地蔵様戦争に行った地蔵様【センソウニイッタジゾウサマ】 ◯地域 天草郡佐伊津村(現・天草市佐伊津町) ◯概要 佐伊津村に八十八ヶ所の地蔵様があるが、1つとして首がついていない。これは日清・日露の戦争のときに出征して我軍の加勢をされ、全て首が落ちたのである。そして首には血がついてい...
百怪堂2022年6月4日雄牛の怪雄牛の怪【オウシノカイ】 ◯地域 御領村野頸(現・天草市五和町御領) ◯概要 御領村野頸という所には、大きな雄牛が道の真ん中に横たわっていて、もしその上を踏んで行かなければ、また先の方に行ってからも同じ様に寝ているという。 再度の怪の亜種の様な怪異です。...