百怪堂2022年8月27日吉次峠の薩摩兵吉次峠の薩摩兵【キチジトウゲノサツマヘイ】 ◯地域 玉名郡東玉町 吉次峠 ◯概要 学校の社会科見学でこの峠に来ていたY先生がこの峠を訪れた。登り始めるとそれまで穏やかだったが、急に風が吹き始め、同時に複数の視線を感じ、悪寒が走った。...
百怪堂2022年8月25日天火天火【テンピ・テンビ】 ◯地域 玉名郡南関町 ◯概要 流星とも星そのものとも、また流星とは違うとも云われ、その解釈は様々である。 火の形態も多様で、提灯の火程から人の頭より遥かに大きいものまである。色は赤いとも青白いとも云う。...
百怪堂2022年8月24日一本松の狐火一本松の狐火【イッポンマツノキツネビ】 ◯地域 鹿本町一本松(現・山鹿市鹿本町) ◯概要 高橋の内原と言って、御宇田台地から東に続いている台地を少し行くと、一本の大きな松の木が一段高い塚の上にそびえている。 6月も半ばに近く、五月雨がしとしと降り続いて鬱陶しい、暮れて間もな...
百怪堂2022年8月19日霊剣の怪事霊剣の怪事【レイケンノカイジ】 ◯地域 玉名郡山北村上白木(現・玉名郡玉東町) ◯概要 玉名郡山北村字上白木小字座主区に同署に不思議な霊験が伝来していた。今は当区民はこれを御神体とし尊崇している。 この霊剣は、元豊後国主大友氏の家臣である清田某という者が所有していた。故があ...
百怪堂2022年8月15日初野の大蛇初野の大蛇【ハツノノダイジャ】 ◯地域 水俣市初野 ◯概要 初野付近一帯の山には山の神として大蛇が棲んでいるといわれ、その大蛇が星近くに現れた時には必ず部落に疫痛などの災難が起こると昔から言い伝えられてる。 古老は最近でもその言い伝えを信じている。 ◯参考文献...
百怪堂2022年8月10日油ずまし油ずまし【アブラズマシ】 ◯地域 天草郡栖本村(現・天草市栖本町河内) 天草郡下浦村(現・本渡市下浦町) ◯概要 栖本村字河内と下浦村の境に草隅越というところがある。 ある時、1人の老婆が孫の手を引きながらここを通り、昔、油ずましが出おったという話を思い出し「ここに昔油瓶さ...
百怪堂2022年8月9日九頭龍の蛇九頭龍の蛇【クズリュウノヘビ】 ◯掲載誌 『真言伝』 ◯地域 阿蘇山中岳 ◯概要 古い時代、阿蘇近郷の人々は、阿蘇山中岳の噴火口を”神霊池”と名付けた。その中には更に3つの池があって、それぞれを”健磐龍命”、”健磐龍命の妃”、”彦御子”、と神の名をつけて信仰の対象とした。...
百怪堂2022年8月8日牛鬼ヶ谷の怪物牛鬼ヶ谷の怪物【ギュウキガダニノカイブツ】 ◯掲載誌 『肥後國誌』 ◯地域 牛鬼ヶ谷(阿蘇のどこか) ◯概要 昔、白川村の農民が、ここに炭焼きに行った。夜、牛頭鬼形の者が出て牛の声で鳴くという。その事からここを牛鬼谷と呼ぶという。...
百怪堂2022年8月6日杵小僧杵小僧【キネコゾウ】 ◯地域 菊池市原 ◯概要 雪が深々と降り出し、野原も山も一面の銀世界になると、村へ出てくるという。 伊野の東南に「杵小僧渕」という気味の悪い渕がある。 昔、大雪の降る晩に村の者が、その「杵小僧渕」のそばを通ったら、妙な形をした化け物が、川の下へと飛んで...
百怪堂2022年8月1日権兵衛権兵衛【ゴンベエ】 ◯地域 丸島村(現・水俣市丸島町) ◯概要 現在でも丸島付近では「権兵衛が来る」とか、又は「権兵衛にかかりはせんか」などと言葉を交わす。江口金蔵(80歳)の証言によれば、幼い頃父母たちから以下の伝説を聞いたという。...
百怪堂2022年7月30日牛の業病牛の業病【ウシノゴウビョウ】 ◯地域 天草郡棚底村(現・天草市倉岳町棚底) ◯概要 棚底村にある百姓がいた。牛を飼っており、それを若者に世話させていた。 ある日、その若者に「牛に水を飲ませたか」と言えば、「飲ませた飲ませた」と言っていた。翌日小屋に行ってみると牛が居ない。そ...
百怪堂2022年7月27日雄猫の根子岳参り雄猫の根子岳参り【オスネコノネコダケマイリ】 ◯地域 阿蘇郡山西村(現・阿蘇郡西原村) ◯概要 いつの頃から言い始められたのか定かではないが、山西地方では、雄猫が3才か4才に達すると、半年ほど居なくなる時がある。これを”雄猫の根子岳”と言っている。根子岳参りで修行して帰った...
百怪堂2022年7月24日子供に火箸を投げつけた地蔵子供に火箸を投げつけた地蔵【コドモニヒバシヲナゲツケタジゾウ】 ◯地域 天草郡大道村(現・上天草市龍ヶ岳町大道) ◯概要 大道村の中央に地蔵堂がある。どこも同じく、子供の遊び場で、毎日子供が集まる。日曜日には小学校の生徒が境内の掃除を行っている。...
百怪堂2022年7月23日鰻の祟り鰻の祟り【ウナギノタタリ】 ◯地域 天草郡宮田村(現・天草市倉岳町宮田) ◯概要 宮田村の海岸の池に鰻が飼ってある。神様としてこの付近の漁師は決して鰻を食わない。 またこの池の鰻をこっそり釣り上げて食った男が祟られて大病に罹った。 ◯参考文献...
百怪堂2022年7月22日神に祀られた鰻神に祀られた鰻【カミニマツラレタウナギ】 ◯地域 天草郡御領村貝津(現・天草市五和町御領) ◯概要 これは昭和3年7月の話で、御領村字貝津とい鰻所に池があるが、この池の水を田の中に入れていたら、池の水は段々と減り、底が出る程浅くなった。...
百怪堂2022年7月21日大きな首大きな首【オオキナクビ】 ◯地域 天草郡高戸村(現・上天草市龍ヶ岳町高戸) ◯概要 昔、高戸村おぼんがみという山に、大きな櫨の木が一本立っていた。毎晩、夜更けになるとその木の枝に大きな首がぶら下がっていて、人々は怖がっていた。...
百怪堂2022年7月20日御輿入道御輿入道【ミコシニュウドウ】 ◯地域 天草郡一町田村(現・天草市河浦町河浦) ◯概要 ある男が、一町田村下田の釜の一本道を通っていた。すると大きな入道が現れて、前に立ち塞がり舌をベロベロ出して一舐めに舐めてしまった。男は恐ろしくて松の根方に座り、生きた心地もせずつく匍ってい...
百怪堂2022年7月19日蛇神様蛇神様【ヘビガミサマ】 ◯地域 葦北郡湯浦町(現・葦北郡芦北町湯浦) ◯概要 湯浦町丸山の野間に本体は赤蛇で、頭に白い輪があり大きさも杉箸位と言われているが、本体は見てはならない。見れば憑りつかれると恐れられている。春の彼岸の中日には、参詣人が多い。なお憑かれると急性神経痛...
百怪堂2022年7月18日南国の巨人南国の巨人【ナンゴクノキョジン】 ◯地域 天草郡本戸村(現・天草市本渡町本戸馬場) ◯概要 本戸村大字水ノ平と西ノ窪の中間に長さ4間(約7メートル)程の沼がある。 昔、南の国に身の丈が数十丈の巨人が居た。足の腹の長さが5間(約9メートル)近くもあった。この男が時々雲仙岳に薪...
百怪堂2022年7月17日鎌倉どん鎌倉どん【カマクラドン】 ◯地域 天草郡高濱村(現・天草市天草町) ◯概要 高濱村の湾の両岸は間が20町(約2キロ)程ある。昔、ここに跨って顔を洗っていた巨人がいた。その巨人の足跡というのが、今は畑になっている。鎌倉どんの足跡と言って、畑は丁度人間の足跡の形になっている。...