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牛の業病

牛の業病【ウシノゴウビョウ】


◯地域


◯概要

棚底村にある百姓がいた。牛を飼っており、それを若者に世話させていた。

ある日、その若者に「牛に水を飲ませたか」と言えば、「飲ませた飲ませた」と言っていた。翌日小屋に行ってみると牛が居ない。そればかりか、戸口が押し破られている。おかしいと思い、あちこちを捜し回っていると、堤の池の中で腹が裂けて牛が死んでいた。

実は若者が全く水を飲ませなかったので、渇ききった牛は戸を押し破って水を飲みに行き、あまりに飲んで腹が裂けてしまったのである。

それから、この家の者は飲んでも飲んでも飲み足りない業病に罹って、寝る前にも大甕に沢山の水を入れておかねば大変な事になるという。


 

◯参考文献


『天草島民俗誌』

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