百怪堂2022年9月14日インガミインガミ ◯地域 熊本県各地 ◯概要 球磨郡、人吉郡など熊本県南部に広く伝わる。犬神の事。インガメ、犬がめとも。 共通して、犬が人に取り憑く“憑物”である。 各地域により、その細かな形態や性質は様々である。 以下、地域ごとに事例を列挙する。 ◎球磨...
百怪堂2022年9月14日シバカキシバカキ ◯地域 玉名郡南関町 ◯概要 夜に路傍で石を投げてくる怪物だという。 柳田國男は『妖怪談義』にて、「シバとは短い草の生えたところで、そこを引っ掻くような音もさせるのだろう」と考察している。 ◯参考文献 柳田國男/小松和彦 校注『新訂 妖怪談義』角川学芸出版...
百怪堂2022年9月13日コバン野の大蛇コバン野の大蛇【コバンノノダイジャ】 ◯地域 天草郡倉岳町(現・天草市倉岳町) 倉岳 ◯概要 天草郡栖本町と倉岳町にまたがる倉ヶ岳に登る途中にコバン野というところがある。 ここに昔、雄雌2匹の大蛇が棲んでいた。そのうちどちらかが白蛇であった。またここには首の周りが白い輪にな...
百怪堂2022年9月12日九月に梅の花九月に梅の花【クガツニウメノハナ】 ◯地域 天草郡大道村(現・上天草市龍ヶ岳町大道) ◯概要 大通村の福田庄八郎という人が、鎮守天満宮の社殿があまり朽廃したので、肝入りで改築することになった。その間、御神體を自分の家の神棚に奉安していた。...
百怪堂2022年9月11日御前迎えの火御前迎えの火【ゴゼンムカエノヒ】 ◯地域 菊池市七城町砂田蟹穴 ◯概要 菊池の土地を治めていた菊池一族は、能運公の頃になると、次第に勢力は弱まってきていた。 北朝方の大友勢は、どんどん勢力を増してきて、勢いに乗じて菊池一族を滅さんとしていた。しかし、十八外城の守りが固く、本...
百怪堂2022年9月10日松の木の霊松の木の霊【マツノキノレイ】 ◯地域 天草郡櫨宇土村(現・天草市枦宇土町) ◯概要 昔この地域で山火事があった。この山中に一本の大きな松の木があって、日頃神聖視されていたが、この木も焼けてしまった。それを見ていた人達の話では、松の木に火がつくと、根元の空洞の中から大きな火玉...
百怪堂2022年9月9日玉垂玉垂【タマダレ】 ◯地域 球磨郡水上村岩野 ◯概要 この地域にある生善院は俗称「猫寺」の名でよばれる。 天正の頃、僅か9歳で人吉藩主となった相良忠房にたいして、叔父の大膳助頼貞が、湯山城主佐渡守宗昌とその弟普門寺の僧盛誉と組んで謀反の心ありとの噂が広まった。...
百怪堂2022年9月8日うそ越えうそ越【ウソゴエ】 ◯地域 一町田村盆田(現・天草市河浦町河浦) ◯概要 この地域に“うそ越”というのがある。 昔から物騒なところで、ある時2人の故人が夜遅くここを通りかかって「昔はここに血のついた人間の手が落ちて来おったそうだ」と言って、互いにゾッとし顔を見合わせた瞬間に...
百怪堂2022年9月7日鐘が淵の大亀鐘が淵の大亀【カネガブチノオオガメ】 ◯地域 菊池市北宮 ◯概要 昔、肥後国で大旱魃があった。長く雨は降らず、来る日も来る日も、目の回る様なカンカン照りの日々が続いた。 ある日、菊池川の畔に住む、貧しい百姓の与作どんは、あまりの暑さにたまりかねて、鐘が淵へ降りて行った。しか...
百怪堂2022年9月6日琴平様の御神火琴平様の御神火【コトヒラサマノゴシンカ】 ◯地域 天草市有明町 ◯概要 今から130年ほど前の話である。 ある日、赤崎の兼平というお爺さんが大浦の親戚の家から帰っており、須子の家なみを過ぎて「めぐろ」にかかった頃、太陽が急に西の山向こうに落ちるように沈んでしまった。小さな孫...