top of page

御前迎えの火

  • 百怪堂
  • 2022年9月11日
  • 読了時間: 2分

御前迎えの火【ゴゼンムカエノヒ】


◯地域



◯概要

菊池の土地を治めていた菊池一族は、能運公の頃になると、次第に勢力は弱まってきていた。

北朝方の大友勢は、どんどん勢力を増してきて、勢いに乗じて菊池一族を滅さんとしていた。しかし、十八外城の守りが固く、本城まで踏み込む事ができない。そこてま、大友勢の主将が、娘の朝日御前を使って、外城の1つである神尾城を落とす事を考えた。

朝日御前は、父の意を受け、農家の娘に変装して菊池の里へ入った。そして、お満と名乗り、城主水次氏の下使えとして忍び込んだ。

お満は、器量良く気も効くので、重用され、やがて城主のお側付きとなった。歌も踊りもよくできたお満はますます気に入られ、ついには妾になってしまった。

さて、水次の殿さんも42歳となり、初老の祝いをする事となった。厄晴れの宴は飲めや歌えやの大騒ぎで、殿さんもご機嫌で、ついには酔い潰れて寝てしまった。お満は殿さんを寝床へと連れて行き、寝かしつけたが、いよいよ待った時が来たと思ったのだろう。懐中の短刀で殿さんの喉元をひと息に刺したが、刺し損じた。殿さんは酔って寝ていても武術の達人、お満から短刀をもぎ取ると、どうした訳かと、事の次第を尋ねた。

お満も観念して、一部始終を話した。それを聞いた殿さんは「敵の娘ながら天晴れである。しかし、許すわけにはいかん。お前は斬罪に相当するが、平素の行いに免除、望む所の死を与えよう」と言う。

だか、お満は既に覚悟を決めていた事なので、斬罪を所望したそうである。

この頃の刑場は七城の蟹穴にあった。そこで刑に処され、円塚に埋め、墓の標に一本の椋の木が植えられた。

この辺りは淋しいところだが、闇夜になると、川辺の道沿いに、真っ赤な火が、ふわりふわり墓の方へと流れていくのが良く見られた。里の人はその火を“御前迎えの火”と呼び気味悪がったと云う。


似た名前の怪火が山鹿市にも伝わります。

こちらは、無念の死を遂げた芸者を迎える火であるといわれています。


◯参考文献

最新記事

すべて表示
オトラ

オトラ ◯地域 阿蘇郡小国地方(小国町、南小国町) ◯概要 オトラは赤ん坊のとき大変な泣き虫で手に負えぬ子だった。 「お前のような子はキツネにくれてやるぞ」といって、親が彼女を家の外に押出したところ、そのまま帰って来ず、どうも本当にキツネに育てられた。 全身に毛が生え、皮膚は油紙のようになって、あちこちの村で見かけた人がある。 それでも親の年忌年忌にはゼニサシに一文銭をたくさんさして窓から自分の家

 
 
 
耳なしお地蔵さん

耳なしお地蔵さん【ミミナシオジゾウサン】 ◯地域 板木村(現・球磨郡五木村板木) ◯概要 板木村の鶴崎店の上のところに祀ってある。 耳が痛む時に小さい竹の筒を持って、片方を自分の耳に当て、片方をお地蔵さんの口に当て拝むと、お地蔵さんの息が通って耳の痛みが治るという。 ◯参考文献 金山 正『五家荘の民俗』日本談義社 1955年

 
 
 
若宮さん

若宮さん【ワカミヤサン】 ◯地域 牛深市(現・天草市牛深町) ◯概要 池田の防波堤のある山の麓に、四角柱の石碑がある。 これは池田沖で難破して池田の海岸に打ち寄せられた遺体を葬って、その霊を慰めるために大西家が建立した。...

 
 
 

コメント


bottom of page