百怪堂2022年6月17日狐の嫁入り狐の嫁入【キツネノヨメイリ】 ◯地域 玉名郡南関町関町 ◯概要 南関町大字関町の出はづれで、大字関下字迎町は30年程前までは、淋しい桑畑であった。 その辺から狐火が出て、当時工事を終わったばかりの新佐世保街道に沿って明滅しながら中山の裾野まで行列を成し、見たという人が多かっ...
百怪堂2022年6月16日山法師塚山法師塚【ヤンボシヅカ】 ◯地域 阿蘇郡馬見原町(現・山都町馬見原) ◯概要 馬見原の南にある小丘明十九山頂に、その昔、ある山法師が来た。様々な行を成していたが、自ら掘った穴に生き埋めとなり死に至った。町人は憐み、小杉をその上に植え、山法師塚と呼ぶようになった。...
百怪堂2022年6月15日雷の童子雷の童子【カミナリノドウジ】 ◯地域 熊本市中央区坪井 報恩寺 ◯概要 報恩寺では、寛文13年(1673)の夏、井戸に激しい稲妻と共に雷が落ちたので、住職が法力を以って封じ込めた。 雷は、枯れ井戸の中で必死に救いを求めるので、住職は「私の教えに従うのなら助けてやる」と言った...
百怪堂2022年6月14日塩井の池塩井の池【シオイノイケ】 ◯地域 阿蘇郡白水村中松二区(現・南阿蘇村中松) ◯概要 この池を貯めるためになんべんもともをついても、ともが崩れる。神様にお祈りをかけたところ人身供養をあげたら良かろうというお指示があった。 そこで庄屋がどうしたら良かろうかお言っていると、そのう...
百怪堂2022年6月13日ヤクザルヤクザル ◯地域 八代郡上松求麻村(現・八代市坂本町中津道) ◯概要 時々、古い大きな猿が群れから離れて行動することがある。これを”ヤクザル”と言って気味悪く考えており、何かくれてやらねば災いがあるという。河童を取りに行って群れから離れたものだともいう。...
百怪堂2022年6月12日金ン主金ン主【カネンヌシ】 ◯地域 天草郡浦村名切(現・天草市倉岳町浦) ◯概要 浦村名切の橋の本という所に石の眼鏡橋がある。その付近は杉や松の茂みで、夜は少し気味が悪い。 大晦日の真夜中にここに行くと、金ン主というのが立っている。武士の様な姿をしているという。この金ン主と力比べ...
百怪堂2022年6月11日トベカブロトベカブロ ◯地域 上益城郡御船町滝尾 ◯概要 滝尾字水越に萱のトベ(屋根)のある小さい祠がある。 昔、神様を厚く信仰する者がおり、お伊勢参りの帰途、袂に石が入っているので捨てた。しかし、いつのまにかまた入っており、何回捨てても入っている。...
百怪堂2022年6月10日クワンした猫クワンした猫【クワンシタネコ】 ◯地域 下益城郡砥用町(現・美里町) ◯概要 この地域では歳を取って神通力を持ってきた猫のことを”クワン”すると言い恐れられている。クワンした怪猫はまた、”山猫”とも呼ばれ、化けたり、歌ったりもできる。 ◯参考文献...
百怪堂2022年6月9日井手口の人柱井手口の人柱【イテグチノヒトバシラ】 ◯地域 熊本市中央区迎町 ◯概要 いつの頃からかはっきりしないが、恐らく加藤清正の時代であったであろう。井手口の堤防を築いた時、石垣が何回築いても崩れるので、長六橋の下にあった家の娘を人柱としてその石垣の堤防の中に埋めてしまった。その為...
百怪堂2022年6月8日下野の大蛇下野の大蛇【シモノノダイジャ】 ◯地域 阿蘇郡長陽村下野(現・南阿蘇村下野) ◯概要 南郷谷から来たという女の人が病気をして、下野のつつみの水が飲みたいというので、牛に乗せらて下野のつつみに来た。そこで水を飲ませようとしたら池の中へ飛び込んで、蛇の姿になった。お父さんがもう...
百怪堂2022年6月7日左京が橋左京が橋【サキョウガバシ】 ◯地域 阿蘇市黒川 阿蘇山中岳 ◯概要 大蛇のはらわたの形をした赤い溶岩石の上に小さな一枚板があってこれを左京が橋という。 邪な行いをした人はこれを渡れないという。女の人は髪がおっぽりさ(逆毛立って)になって渡れず、男の人は逆立ちして元の姿に戻れ...
百怪堂2022年6月6日轆轤っ首轆轤っ首【ロクロックビ】 ◯掲載元 山岡元隣著『古今百物語評判』 ◯概要 肥後国しころ村というところに絶岸和尚という僧が宿泊した。その夜は風が凄まじく寝られぬまま念仏を唱えていると、丑三つ時、その家の女房の首が伸びて窓から外に抜け出し、首の通った跡には白いスジが見えていた。...
百怪堂2022年6月6日坂梨の猫坂梨の猫【サカナシノネコ】 ◯地域 阿蘇町坂梨(現・阿蘇市一の宮町坂梨) ◯概要 阿蘇町坂梨では、猫が一貫目(3.75キロ)になると、半年ばかり姿を消すことがあるという。それは猫岳に参りに行くからで、帰ってきた猫は尻尾の先が2つに分かれ、口は耳まで裂けているという。...
百怪堂2022年6月5日戦争に行った地蔵様戦争に行った地蔵様【センソウニイッタジゾウサマ】 ◯地域 天草郡佐伊津村(現・天草市佐伊津町) ◯概要 佐伊津村に八十八ヶ所の地蔵様があるが、1つとして首がついていない。これは日清・日露の戦争のときに出征して我軍の加勢をされ、全て首が落ちたのである。そして首には血がついてい...
百怪堂2022年6月4日雄牛の怪雄牛の怪【オウシノカイ】 ◯地域 御領村野頸(現・天草市五和町御領) ◯概要 御領村野頸という所には、大きな雄牛が道の真ん中に横たわっていて、もしその上を踏んで行かなければ、また先の方に行ってからも同じ様に寝ているという。 再度の怪の亜種の様な怪異です。...
百怪堂2022年6月3日ゴゼ迎きやァん火ゴゼ迎きやァん火【ゴゼムキヤァンヒ】 ◯地域 山鹿市鹿本町御宇田 ◯概要 町から御宇田の宮へ行く道のすぐ東端の井尻というところに、一本の大きな椋の木がある。その下に古い墓がかたまって建っている。里の人たちはここを、”ふうぞ島”又は”ふうぞ墓”と言っている。...
百怪堂2022年6月1日キリシタンの鈴の音キリシタンの鈴の音【キリシタンノスズノネ】 ◯地域 天草郡大江村(現・天草市天草町大江) ◯概要 大江村の末尾之峠という所がある。今は畑になっている。 昔キリスト教が天草に入って来た頃、理由は不明であるが、ある信者が自ら進んで生き埋めになった。その時、「俺が墓の中で鈴を鳴ら...
百怪堂2022年5月30日一口泣き一口泣き【ヒトクチナキ】 ◯地域 飽託郡天明村(現・熊本市南区奥古閑町) ◯概要 六丁と荒木の中程にお腰ごめ橋という橋がある。昔、朝方某女が下履きを剝ぎ取られたまま死んでいるのが発見された。 それ以降、十二時過ぎになると、悪寒が背筋をゾクゾクとさせたあと、どこからともなく一...
百怪堂2022年5月29日満願寺の大蛇満願寺の大蛇【マンガンジノダイジャ】 ◯地域 阿蘇郡南小国町満願寺 ◯概要 満願寺の小田部落にある七滝には昔から大蛇が棲んでいると言われていた。ある時殿様が出て狩の帰りにこの滝の下を通られると、いつもはない立派な橋が架かっている。みな不思議がりながら渡り家来がふと振り返ると...
百怪堂2022年5月28日荒神様・水神様のさわり荒神様・水神様のさわり【コウジンサマ・スイジンサマノサワリ】 ◯地域 人吉市鹿目町 ◯概要 病気をして医者でも薬でも治らなかったり、あるいは急に熱が出たり、訳もなく体が痛くなったりという原因が不明な時、占い師に見てもらうと、荒神様・水神様のさわりだと言われる。その時は荒神様...