百怪堂2022年3月13日角が生えた馬角が生えた馬【ツノガハエタウマ】 ◯伝承地 天草郡御所浦町(現・天草市御所浦町御所浦) ◯概要 嵐口部落の百姓が、海岸で牡馬を潮浴びさせ、浜辺に繋いだまま忙しさのあまり忘れ、一晩でそのままにしてしまった。 翌朝行ってみると、馬は産まれるはずのない仔を産んでいた。百姓は世にも...
百怪堂2022年3月10日しんちょう落とししんちょう落とし【シンチョウオトシ】 ◯伝承地 上益城郡益城町 ◯概要 北原にしんちょう落としという場所があり、広崎と古閑の村道として小さな道が畑の上の畦道を通っていた。 ある時盲目の按摩「しんちょう」が上から落ちて死んだ。一ヶ月後発見された時には腐りかかっていたという。そ...
百怪堂2022年3月9日狸寄せ狸寄せ【タヌキヨセ】 ◯伝承地 阿蘇郡小国町 ◯概要 狸憑きの事であり、名のある狸を呼んで自分に乗り移すもの。誰でもはできず、手にシバを持って振り回しているうちに、目は吊り上がり半狂乱になり、仕舞いには狸の言う言葉を口走るという。本人はその間の記憶は一切ない。 ◯参考文献...
百怪堂2022年3月9日お万墓の狸お万墓の狸【オマンバカノタヌキ】 ◯伝承地 上益城郡益城町 ◯概要 以前は池田から島田へ行くのに椿坂・赤土坂という所を通った。そこから一丁ほど行くとお万墓という所があって、道端に大きな山桜の木が生えていた。ここには狸がいて、日暮れ時通りがかりの人に石を投げたり、桜の木に登っ...
百怪堂2022年3月8日スケヨム狐スケヨム狐【スケヨムキツネ】 〇伝承地 上益城郡益城町 〇概要 高遊の稲荷の横には、スケヨム狐という狐がいて、傍らの南郷往環を通る者を騙していた。誰かが来ると、桜の木の下で、七りん玉というものを咥えて宙返りした。そうすると何にでも化けることができるという。...
百怪堂2022年3月8日金次郎狐金次郎狐【キンジロウギツネ】 ◯伝承地 玉名郡南関町 ◯概要 南関町、大字関町鷹の原から長谷にかけて金次郎狐が住んでいた。昔、村人が町から油揚げを買って帰る途中にこの鷹の原の参道を通りかかると、化かして油揚げを取っていた。ある日、町へ行った百姓が、荷物を肩にかけ、着物の尻を...
百怪堂2022年3月7日銃くれ井戸銃くれ井戸【ジュウクレイド】 ◯伝承地 熊本県熊本市中央区 熊本城 ◯概要 熊本城は第二次世界大戦終戦の頃まで旧陸軍の第六師団司令部が本丸広場にあり、その他城内一体に歩兵十三連隊の兵舎、兵器庫、弾薬庫などがあった。 年代は定かではないが、明治から大正にかけてのある夜、御幸坂...
百怪堂2022年3月6日白い動物を飼わない村白い動物を飼わない村【シロイドウブツヲカワナイムラ】 ◯伝承地 下益城郡豊野村下郷(現・宇城市) ◯概要 この村では理由は不明だが、昔から白い動物は飼ってはならないとされてきた。ところが戦後外地より引き揚げてきた人が、迷信だと言い捨て、白いレグホーン四十日雛を五〇羽飼育する...
百怪堂2022年3月6日胡瓜・南瓜・夏豆を作らない村胡瓜・南瓜・夏豆を作らない村【キュウリカボチャナツマメヲツクラナイムラ】 ◯伝承地 下益城郡豊野村(現・宇城市) ◯概要 この村に胡瓜・南瓜・夏豆を作らない部落があったが、戦後からは作るようになっている。 これはキリシタン大名で有名な宇土城主小西行長は、領内の神社仏閣を焼き...
百怪堂2022年3月5日鬼の城の大蛇鬼の城の大蛇【オオノジョウノダイジャ】 ◯伝承地 天草郡五和町(現・天草市五和町) ◯概要 御領部落の山中に大岩がある。昔、大蛇がいつも巻きついていたので、括れてへこんでしまっているという。恐れた村人たちは、括れたところに観音様を祀って大蛇が大岩を巻かないようにしたという。...
百怪堂2022年3月5日栃木温泉の鬼女栃木温泉の鬼女【トチノキオンセンノキジョ】 ◯伝承地 阿蘇郡長陽村(現・南阿蘇村) ◯概要 谷底にある温泉で、ここの地下の岩風呂には、真夜中になると美人の鬼女が現われ、それを見た人は鬼女から生血を吸い取られて死と言われていた。...
百怪堂2022年3月4日池畑の大蛇池畑の大蛇【イケハタノダイジャ】 ◯伝承地 熊本県熊本市南区白藤町 ◯概要 白藤町南端に、昔、池があったところ畑にしたので「池畑」の地名がある。昔、平安時代久安6年(1150)に河内守藤原経国という人が船で下向、飽田の津(飽田町)に上陸し、この池の東方である池辻(南高江町)...
百怪堂2022年3月3日斬塞ぎの瀬戸の怪火斬塞ぎの瀬戸の怪火【キリフサギノセトノカイビ】 ◯伝承地 天草郡竜ヶ岳町 ◯概要 町の西端、瀬子の浦と横島の間に、斬塞ぎの瀬戸と呼ばれる場所がある。 昔、源氏が大勢の平家の落ち武者をこの瀬戸に斬り込んだので、海水が真紅に染まった。生き残りの落ち武者を迎撃しようとしたが、引き...
百怪堂2022年3月3日狐狸ヶ原の怪火狐狸ヶ原の怪火【コリガハラノカイビ】 ◯伝承地 水俣市 ◯概要 水俣市袋の冷水山の東一帯を狐狸ヶ原といい、昔は狐狸の棲家であったと言われる。天正十五年(一五八七)豊臣秀吉が征西の折、ここの湧き水の池の辺りに陣を敷き夜警をしていた。すると夜半に怪火が現われ、それから毎晩続いた...
百怪堂2022年3月2日猫の迫のお雪猫の迫のお雪【ネコノサコノオユキ】 ◯伝承地 下益城郡当尾村(現・松橋町) ◯概要 名のある狐で今でもその名が残る。 宇城市役所の公式ホームページによれば、 猫の迫は天保10年(1839)に松橋新開が築造された際に、その用水源として築造されたとの事です。...
百怪堂2022年3月2日当尾山の徳兵衛当尾山の徳兵衛【トウノヤマノトクベエ】 ◯伝承地 下益城郡当尾村(現・松橋町) ◯概要 名のある狐で今でもその名が残る。 ◯参考文献 丸山学『熊本民俗事典』日本談義社1965年1月
百怪堂2022年3月2日オイワイジョオイワイジョ ◯伝承地 宇土郡大岳村(三角町) ◯概要 オイワイジョと名のつく白狐であり今も様々な話が伝わるという。 ◯参考文献 丸山学『熊本民俗事典』日本談義社1965年1月
百怪堂2022年3月1日ウブメウブメ ◯伝承地 阿蘇郡白水村吉田(現・南阿蘇村) ◯概要 吉田新町に狐河原という寂しい墓所がある。明治の初め、島田何某という人が夜遅くにそこを通ったところ、「オロロンオロロンオロロンバイ」と言って一人の女が子供を抱いて近づいてきて、「この子を抱いてくれ」と言う。かねてから...
百怪堂2022年2月28日白坊主白坊主【シロボウズ】 ◯伝承地 鹿本郡植木町(現・熊本市北区植木) ◯概要 “キネサガリ”ともいう。 昔、国道三号線と二〇八号線の旧交差点の近くに栴檀(センダン)の巨木があり、その下を夜更けに通ると、上から杵で頭を打つ。もし白坊主が出たら上を見ずに走って帰れ、頭を打たれても...
百怪堂2022年2月28日黒坊主黒坊主【クロボウズ】 ◯伝承地 鹿本郡植木町(現・熊本市北区植木) ◯概要 光目とも。夜中に民家の煙出しから台所に入り瓶の水を飲むという。その体や手足は金火箸の様に細く、両眼がらんらんと光りこの目を見たら盲になるといわれ、夜は早く寝て目を覚さないようぐっすり寝たが良いとされ...