top of page
検索
百怪堂

スケヨム狐

スケヨム狐【スケヨムキツネ】


〇伝承地

上益城郡益城町


〇概要

 高遊の稲荷の横には、スケヨム狐という狐がいて、傍らの南郷往環を通る者を騙していた。誰かが来ると、桜の木の下で、七りん玉というものを咥えて宙返りした。そうすると何にでも化けることができるという。

 この七りん玉の話を聞いた惣領の金しゃんは、稲荷の前で、自分は八りんの玉を持っていると自慢した。これを聞いたスケヨム狐は八りんの玉が欲しくなり、金しゃんの叔父に化てやってきた。そして「自分は七りんの玉という手に入れた。お前は八りんの玉というものを持っているそうだから見せ較べをしよう」と言った。七りんの玉は見栄えのしない玉だったが、金しゃんがラムネ玉を八りんの玉だと言って見せると綺麗なので欲しがり、交換しようと言った。金しゃんは渋って見せてから交換に応じた。そして七りんの玉はすぐ竈で燃やしてしまった。以降スケヨム狐が人を化かす事はなくなったという。


 

〇参考文献

益城町史編さん委員会『益城町史 史料・民俗編』 益城町 1988年3月

閲覧数:21回0件のコメント

最新記事

すべて表示

若宮さん

若宮さん【ワカミヤサン】 ◯地域 牛深市(現・天草市牛深町) ◯概要 池田の防波堤のある山の麓に、四角柱の石碑がある。 これは池田沖で難破して池田の海岸に打ち寄せられた遺体を葬って、その霊を慰めるために大西家が建立した。...

瓶棺の葛根

瓶棺の葛根【カメカンノカッコン】 ◯地域 下益城郡松橋町(現・宇城市) ◯概要 緒方惟義の家老の墓と伝わる桜の大木がある。墓といっても桜があるのみで、墓石は存在しない。 享保18年(1733)貧民がこの桜の根の葛根を掘ると、瓶棺を抱いた葛根があった。貧民がこれを食すとたちま...

黄金の鳥

黄金の鳥【オウゴンノトリ】  ◯地域 阿蘇郡波野村(現・阿蘇市) ◯概要 一年の中で正月の朝一度だけ、黄金の鳥が飛んできて、ただ一声なくという。この鳥はなかなか一目につかず、この鳥を見た人は目がくらんで「めくら」になるといわれ、誰ひとり見に行こうとする人はいないという。...

Comments


bottom of page