スケヨム狐【スケヨムキツネ】
〇伝承地
上益城郡益城町
〇概要
高遊の稲荷の横には、スケヨム狐という狐がいて、傍らの南郷往環を通る者を騙していた。誰かが来ると、桜の木の下で、七りん玉というものを咥えて宙返りした。そうすると何にでも化けることができるという。
この七りん玉の話を聞いた惣領の金しゃんは、稲荷の前で、自分は八りんの玉を持っていると自慢した。これを聞いたスケヨム狐は八りんの玉が欲しくなり、金しゃんの叔父に化てやってきた。そして「自分は七りんの玉という手に入れた。お前は八りんの玉というものを持っているそうだから見せ較べをしよう」と言った。七りんの玉は見栄えのしない玉だったが、金しゃんがラムネ玉を八りんの玉だと言って見せると綺麗なので欲しがり、交換しようと言った。金しゃんは渋って見せてから交換に応じた。そして七りんの玉はすぐ竈で燃やしてしまった。以降スケヨム狐が人を化かす事はなくなったという。
〇参考文献
益城町史編さん委員会『益城町史 史料・民俗編』 益城町 1988年3月
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