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お万墓の狸

  • 百怪堂
  • 2022年3月9日
  • 読了時間: 1分

お万墓の狸【オマンバカノタヌキ】


◯伝承地

上益城郡益城町


◯概要

 以前は池田から島田へ行くのに椿坂・赤土坂という所を通った。そこから一丁ほど行くとお万墓という所があって、道端に大きな山桜の木が生えていた。ここには狸がいて、日暮れ時通りがかりの人に石を投げたり、桜の木に登って木のコブに化け、幹を登ったり下がったりして人を脅かしていたという。


 小池の青年が島田の娘に会うために、夜ここを通っていた。島田には彼の友人で大力の男が住んでおり、友人は脅かしてやろうと、お万墓の桜に登って青年を待ち伏せし、袂の中の石をバラバラと投げつけた。ところが青年は、かえって度胸を据え、石を拾って投げ返してきた。用意の石を投げつくすと、後は投げられ放題なので、友人は閉口し「おーい俺だ俺だ」と叫んだ。「俺だではわからん。名を名乗れ」というので名を言うと「今夜はそんな奴に化けたか」と余計に力を入れて投げてきた。そこで友人は木から降りて謝った。その後、お万墓の狸は出なくなったという。


『益城町史 史料・民俗編』に載る話です。

ほぼ原文ママで掲載しております。

結局は人の仕業であったというオチ。

◯参考文献

益城町史編さん委員会『益城町史 史料・民俗編』益城町 1988年3月

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