ウブメ
◯伝承地
阿蘇郡白水村吉田(現・南阿蘇村)
◯概要
吉田新町に狐河原という寂しい墓所がある。明治の初め、島田何某という人が夜遅くにそこを通ったところ、「オロロンオロロンオロロンバイ」と言って一人の女が子供を抱いて近づいてきて、「この子を抱いてくれ」と言う。かねてからここはウブメが出ると聞いていたのでこの人は力一杯逃げ帰ったという。
ウブメは履物にかかる癖があるので、ウブメが来ると思ったら履物の緒を切ってら抱くのを断ったら良い。抱かされた者の話では、夜が明けてみると子供でなくて石塔であったという。
熊本の産女の類は、命までは取らない傾向が多いです。石塔だったり漬物石だったり。
◯参考文献
丸山学『熊本民俗事典』日本談義社1965年1月
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