百怪堂2022年4月30日山オジ山オジ【ヤマオジ】 ◯地域 阿蘇郡小国町 ◯概要 山に出る。山男や山姥に類するもの。これはうずくまると膝頭が頭より高くなるという。方々に名のついた山オジがいて猟師と力比べした話などが伝わる。 ◯参考文献 丸山学『九州民俗抄』熊本商科大学民俗学会 1965年
百怪堂2022年4月29日渋江の雷渋江の雷【シブエノカミナリ】 ◯地域 熊本市渋江地区(現・南区中無田町) ◯概要 昔、大きな屋敷がありお姫様の様に美しい娘が居た。広い庭には大きな柿木がありその根元に井戸があった。 ある年の夏、娘が井戸端で行水をしていると、晴天にも関わらず突然雷が鳴り同時に雷が井戸に落ちた...
百怪堂2022年4月28日磯女磯女【イソオンナ】 ◯地域 天草郡深海村(現・天草市深海町) ◯概要 磯女は夜中にトモツナを伝って船に入り込み長い髪の毛を眠っている人の上に被せて、その先で生き血を吸う。吸われた人はあとで死ぬといわれている。 水木しげるが妖怪画として描き、『ゲゲゲの鬼太郎』にも登場している...
百怪堂2022年4月25日おとろしが淵おとろしが淵【オトロシガブチ】 ◯地域 阿蘇郡久木野村河陰(現・南阿蘇村河陰) ◯概要 恐ヶ淵とも。 昔、ここで釣りをしていたら向こう岸から蜘蛛が泳いで来て足元に糸を掛け始めた。小指程度の大きさになった時、ドカーンと大きな音がし淵の中へ引き摺り込もうとしたが、草履を履いてい...
百怪堂2022年4月22日太郎が母太郎が母【タロウガハハ】 ◯地域 熊本市北区植木町岩野横山 ◯概要 横山にある巨石である。12月31日の夜に横山に登って、「太朗が母」と3回呼ぶとその巨石が増えるという。 ◯参考文献 植木町史編纂委員会『植木町史』植木町 1981年
百怪堂2022年4月19日モツタブさんの灯モツタブさん灯【モツタブサンノヒ】 ◯地域 熊本市北区植木町豊岡 ◯概要 昔、田原豊岡本村に、モツタブさんというタブの巨大な古株があった。1月26日頃は、モツタブさんに灯がつき、長洲や島原の漁師の間で不思議がられたという。 ◯参考文献 植木町史編纂委員会『植木町史』植木町...
百怪堂2022年4月18日袋池の大蛇袋池の大蛇【フクロイケノダイジャ】 ◯地域 天草郡苓北町 ◯概要 昔、袋池の傍に米屋があった。そこの娘は町や村でも評判の美人だったが、なかなか良い婿が来なかった。両親は家が金持ちでないことが理由であると思い、米を量る升に細工をして金を儲けるようになった。心が優しい娘は、そん...
百怪堂2022年4月17日大野の大蛇大野の大蛇【オオノノダイジャ】 ◯地域 球磨郡五木村松尾野(現・五木村甲) ◯概要 大野のある池に大蛇が棲んでおり、馬木という旦那さんが通りかかった時、池に引き込もうとした。それをある人が助けたので、お礼に土地をやると言われたという。 ◯参考文献...
百怪堂2022年4月16日長老が淵の金茶釜長老が淵金茶釜【チョウロウガブチノキンチャガマ】 ◯地域 上益城郡浜町(現・山都町浜町) ◯概要 阿蘇家が大友家と喧嘩を交えて阿蘇神社におられず、一時浜町に移られた。そのため、周辺に砦を築き、その一つに高城を築かれた。その城主の家来である水汲みに、長老さんという人がいて、そ...
百怪堂2022年4月15日火伏地蔵火伏地蔵【ヒフクジゾウ】 ◯地域 熊本市南区川尻町 ◯概要 町外城の地蔵堂に木造地蔵が祀られ“火伏地蔵”と呼ばれている。 この地域は鎌倉時代河尻城主河尻泰明によって祀られた地蔵菩薩の霊場であったが、兵火により焼失していた。その後江戸時代になって加藤清正の家臣だった安武市之丞...
百怪堂2022年4月14日熊本城の木霊熊本城の木霊【クマモトジョウノコダマ】 ◯地域 熊本市中央区本丸 熊本城 ◯概要 熊本地震後、ボランティアに来ていた男性が、熊本城近くの塀で休憩していた。初夏の緑が美しく、木々がさわさわと風に流れ心地よい気分になっていると、「来てくれてありがとう」「また来てね」と木々が話し...
百怪堂2022年4月13日那須家の家宝那須家の家宝【ナスケノカホウ】 ◯地域 球磨郡五木村入鴨(現・五木村甲) ◯概要 入鴨の那須家には、宝物として青葉の苗と人間の腕が石室のなかにあるという。 怪異、妖怪、都市伝説などとは少しテイストの違う伝承ですが、人間の腕というのがなんとも不気味なので掲載させて頂きました。...
百怪堂2022年4月13日ヤマンカミノヤシキヤマンカミノヤシキ ◯地域 人吉市大畑町 ◯概要 大畑の先にある奥山に「ヤマンカミノヤシキ」といわれる場所があり、そこに入ると祟りがあるという。 ◯参考文献 成城大学民俗学研究会編『伝承文化』通巻10号 1976年3月
百怪堂2022年4月12日鐘が淵鐘が淵【カネガブチ】 ◯地域 阿蘇郡長陽村下田(現・南阿蘇村河陽) ◯概要 西の宮の祭りの時、祭りの前に神輿を清める為にそこで洗っていたが、ある時そこで神輿を洗い、釣鐘を洗っていたら、そこにズブズブと深く沈んでしまって、どんなにやっても取れなかった。...
百怪堂2022年4月11日狐狸の悪戯狐狸の悪戯【コリノイタズラ】 ◯地域 飽託郡天明村(現・熊本市南区奥古閑町) ◯概要 十町中央の三叉路は、以前から藪があって道路に樹木が覆い被さっており、五町六地蔵付近も藪が茂っていた。 夜遅くに人が通ると、誰もいる気配がないのに竹藪でバラバラと音がする。昔、狐は人が通ると...
百怪堂2022年4月10日アンシンアンシン ◯地域 球磨郡五木村田口 ◯概要 田口には、大きな銀杏の木があり、この根元には石碑が立っている。石碑は丈が高く大きなもので人々はこれを”アンシン”と呼んでいる。 昔、坊主と思われる人が、銀杏の木の根元に穴を掘り生き埋めになった。その時、この人は「三日三晩鐘がなり続...
百怪堂2022年4月9日木山畷の火の玉合戦木山畷の火の玉合戦【キヤマノーテノヒノタマカッセン】 ◯地域 上益城郡益城町木山 ◯概要 木山と赤井の間の畷(あぜ道)にでるという。 赤井城のお宮のところから赤い火の玉がボーっと昇り、「おや」と思い木山の古城を見ると青い火の玉がツツ―と上に昇る。当分はそこで睨み合うように動...
百怪堂2022年4月8日押土岩押土岩【オシドイワ】 ◯地域 阿蘇郡小国町 ◯概要 高さ6m、幅10m、奥行7mの大岩で、これはお手玉をしていた鬼が、明け方逃げ帰る際に落としたものだという。 ◯参考文献 熊本県小学校教育研究会国語部会編『熊本の伝説』「鬼の石あそび」日本標準 1978年1月...
百怪堂2022年4月7日鬼の継石鬼の継石【オニノツギイシ】 ◯地域 阿蘇郡南小国町 ◯概要 (満願寺温泉「志津の宿」ー現代版湯治宿ー公式ホームページより引用) ”鬼の継石”という高さ9mもある大きな岩である。 昔、阿蘇にはあちらこちらに鬼がいて夜になると遊びに出ていた。この岩は鬼どもが石積み遊びをした跡で...
百怪堂2022年4月6日ヤスカロウの火ヤスカロウの火【ヤスカロウノヒ】 ◯地域 八代郡宮原町(現・氷川町宮原) ◯概要 天正元年十月に起こった原田の戦いにて、官軍の猛追から逃げている途中、原田下手の底なし沼にはまり無念の往生を遂げた。里人は悲惨な最期を思い、塚に祠を立ててその冥福を祈った。それが誰かも分からない...