百怪堂2022年4月5日モグラの化け物モグラの化け物【モグラノバケモノ】 ◯地域 人吉市鹿目町 ◯概要 モグラが悪魔になって人をとった。上永野村と下永野村はモグラを祀って、毎年、人身御供のため子供を上げる事になっていた。 宮本武蔵が通りかかると老夫婦が泣いているのが聞こえた。そこで武蔵が訳を聞くと、今日娘をモグ...
百怪堂2022年4月4日ユキゴジョウユキゴジョウ ◯地域 人吉市東漆田町 ◯概要 ユキゴジョウは雪女のことで、雪が降り始めると、どこからかやってきて、吹雪の中をさまよっているのだという。 八代市には同様の怪として“ユキガゴジョ”が伝わっていますが、そちらは雪女とは明言されておらず、雪に潜む怪物とされています。...
百怪堂2022年4月3日白旗の大鯰白旗の大鯰【シラハタノオオナマズ】 ◯地域 上益城郡甲佐町白旗 ◯概要 白旗の山出部落に、身分の高い絶世の美女が住んでいた。村の若者たちはこぞって言い寄ったが相手にされず半ば諦めかけていた。ところがそのうち一人の美男子が娘の家に通っているらしいと噂が立ち始めた。若者たちは驚...
百怪堂2022年4月2日尾篭の大鯰尾篭の大鯰【オゴモリノオオナマズ】 ◯地域 阿蘇郡一の宮町(現・阿蘇市一の宮町) ◯概要 一の宮町古城の尾篭(おごもり)に大鯰がいた。健磐竜命が高千穂より阿蘇に来られ、開拓のため外輪山の須軽谷を蹴破って湖の水を外に出された。その時、湖の主の大鯰は尾篭に鼻をかけ水と一緒に流れ...
百怪堂2022年3月31日滴水の銀杏樹滴水の銀杏樹【タルミズノイチョウジュ】 ◯地域 鹿本郡植木町滴水(現・熊本市北区植木町) ◯概要 昔、この銀杏の木の下で部落の者が、この木を切って薪にしようかと話し合ってると、木の中から美し女が現れて、「この木は私の住家ですから切らないでください」と哀願するので切らなかった...
百怪堂2022年3月30日金平狐金平狐【キンペイギツネ】 ◯地域 球磨郡山江村 ◯概要 山江村大河内の小瀬口に大きな欅があり、その深い空洞に百歳の白狐が住んでいる。金平狐と呼ばれ、しばしば美女に化けて出て、川漁に行った人などを水の中に誘い込んだ。これが自動車の上に乗ったために、急に運転が重くなる事もある。...
百怪堂2022年3月29日クリヨウドンクリヨウドン ◯地域 天草郡二江村(現・天草市五和町) ◯概要 海岸に近い山嶺で度々見た怪火。青白い火で消して提灯ではない。道がないところを移動していくという。出る日は一定しないが九の日に出るといわれている。 ◯参考文献 丸山学『熊本民俗事典』日本談義社1965年
百怪堂2022年3月28日砂原の生き仏砂原の生き仏【スナハラノイキボトケ】 ◯地域 熊本市南区砂原町 ◯概要 砂原町のバス通り四つ角のスーパー裏に薬師堂がある。昔この薬師堂を他の場所に移して堂の跡を田圃にした。ところが、穂の成長が他の田圃の半分以下で、収穫時になっても穂が実らず不思議に思っていた。...
百怪堂2022年3月27日鬼の材石鬼の材石【オニノザイセキ】 ◯伝承地 水俣市湯出 ◯概要 (水俣市公式ホームページより引用) 水俣市場の児温泉から三キロメートル程山に入ったところに、高さ約三〇メートルの大滝があり、そのたもとにある六角柱状の巨岩は鬼の材石と呼ばれている。...
百怪堂2022年3月25日鬼が掘った谷鬼が掘った谷【オニガホッタタニ】 ◯伝承地 上益城郡益城町 ◯概要 源八郎為朝が益城の木原山に城を築いている最中のこと、どこからか鬼がやってきて為朝の家来となり、城づくりに目覚ましい働きをした。 為朝はすっかり感心し、鬼に褒美は何が良いかと尋ねた。鬼は何もいらないという。為...
百怪堂2022年3月24日鬼のかまど鬼のかまど【オニノカマド】 ◯地域 水俣市深川 大鷹山 ◯概要 この大鷹山には、“鬼のかまど”と呼ばれる三つの岩山がそびえている。 この山には昔鬼が住んでいて、麓を通る旅人を捕まえては、竈に掛けた大きな釜で煮て食べたという。また大鷹山の傍にある高岳山は、旅人を捕えて食べた食...
百怪堂2022年3月23日幽霊船幽霊船【ユウレイセン】 〇伝承地 天草郡大矢野町蔵々(現・上天草市大矢野町維和) 〇概要 この部落の沖合にネコボク程の大きなソネがあっていい漁場になっているが、ここに幽霊船が現れる事がある。幽霊船は人に危害を加える事はなく、黙って人間の漁の作法を見ている。夜が白む頃、後ろ姿...
百怪堂2022年3月22日オグメオグメ 〇伝承地 天草郡二江村(現・天草市五和町) 〇概要 夜船している舟を追いかけてくる幽霊船のこと。柄杓を貸せと言われるとも伝わる。 〇参考文献 丸山学『熊本民俗事典』日本談義社1965年
百怪堂2022年3月22日ウグメウグメ 〇伝承地 天草郡牛深市(現・天草市牛深町) 〇概要 火の玉になったり、船や島になるといい、船の中にいる人全員に見える。ウグメの仕事と分かったら木灰を海面に流したら良いという。但しイジ(束輪)の灰は無効である。昔難船した死人の霊魂ではないかといわれている。 〇参考文献...
百怪堂2022年3月21日骨をしゃぶる学生骨をしゃぶる学生【ホネヲシャブルガクセイ】 ◯伝承地 熊本県熊本市中央区黒髪 熊本大学 ◯概要 熊本大学は明治23年(1890)に第五高等中学校として開校した。当時は、2人一部屋の学生寮があった。 ある年の夏、寮の2人部屋の1人が病気でもないのに数日前から顔が青ざめ、目は窪...
百怪堂2022年3月20日天神社の霊木天神社の霊木【テンジンシャノレイボク】 ◯伝承地 下益城郡豊野村糸石(現・宇城市豊野町) ◯概念 霊通寺の上に天神が祀られている。ここに一本の大木が聳えていた。あまりにも木が高く茂り、その影で農作物の実りが悪く、村人は大変困っていた。そこで庄屋の村山左衛門は、木を切り倒そう...
百怪堂2022年3月17日ずめきどんずめきどん ◯伝承地 八代郡宮原町(現・氷川町) ◯概要 早尾の今宮と坊屋敷の中間地区に、阿蘇凝灰岩からできた小さな丘で、道端の崖にはいくつかの横穴がある「ずめき」という場所があった。 ここには「どうあん」という古狐が住んでいて色々な奇行を行っていた。部落の軒下の鍬やショケ...
百怪堂2022年3月16日新田の虫新田の虫【シンデンノムシ】 ◯伝承地 球磨郡多良木町 ◯概要 中原に庄屋の前田喜三衛門、目付け役の半左衛門兄弟がいた。この村には幸野溝が通じ多くの新田が開かれ、次第に暮らし向きが楽になっていった。それというのも、新田開発の為に年貢が安くなっていたからだ。...
百怪堂2022年3月15日片目魚片目魚【カタメウオ】 ◯伝承地 鹿本郡鹿央町(現・山鹿市鹿央町) ◯概要 千田八幡宮の前の池に住む鮒はみんな片目で、これを捕ると祟りがあると言われている。 ◯参考文献 熊本県小学校教育研究会国語部会編『熊本の伝説』日本標準 1978年1月
百怪堂2022年3月14日猫の王猫の王【ネコノオウ】 ◯伝承地 阿蘇郡 ◯概要 根子岳には虎のように大きい老猫である猫の王がいて、普段から大勢の猫が住むという。 阿蘇郡と南郷谷の猫は毎年、大晦日の夜にこの山に詣で、猫の王の前で御前会議を行うという。その為、人家で猫がいなくなると猫だけに登ったものと推測され...