骨をしゃぶる学生【ホネヲシャブルガクセイ】
◯伝承地
◯概要
熊本大学は明治23年(1890)に第五高等中学校として開校した。当時は、2人一部屋の学生寮があった。
ある年の夏、寮の2人部屋の1人が病気でもないのに数日前から顔が青ざめ、目は窪んで体は痩せこけ授業にも出れずに寝ていた。ところが夜になると布団から抜け出し、一時間余りしてから帰って来るのが幾日も続いた。同室の友人が不審に思いこっそり後をつけると、すぐ裏の小峰墓地に消えていった。
しばらくすると、生ぬるい風と生臭い臭いがしてきたので、月明りを頼りによく見ると、その学生が墓の中の骨になりかけた新仏の骨を一心不乱にしゃぶっていた。それを見た友人は腰を抜かして驚き、這いつくばって矢っと寮に戻り、布団をかぶって震えていた。すると、帰ってきたその学生が震えている布団を剥ぎ取り「見たな!」と言って墓の新仏の様な顔で覆いかぶさってきたのでそのまま気を失ってしまった。そして翌朝、目を覚まし、その学生を見ると何事もなかったかの様に眠っていた。その後、その学生は退学して故郷に帰ったという。
この話は、新入生歓迎会の時に先輩から新入生に語り継がれていたという。
是非熊本大学出身の方、在校生の方からお話をお伺いしたいですね。
また、この話のもう一つの舞台である小峰墓地は現在墓地公園になっており、著名人も多く眠る霊園です。
◯参考文献
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