銭塘の幽霊【ゼンドモノユウレイ】
◯伝承地
熊本県熊本郡銭塘村(現・熊本市南区銭塘町)
◯概要
明治の中頃、銭塘村にオコノという美人で貞淑な娘がいた。ある夜、村の若者文太郎に犯され、その後も度々迫られるので、耐え切れず思い余って東塘の木で首を吊って死んだ。それ以来、東塘から人魂が飛ぶようになり、貞淑であったオコノが淫らな姿の幽霊になったという。そして文太郎が居る所に現れて抱きついたり唇を寄せてくるので、文太郎は「この唇を吸ったらあの世行きだ」と思い避けると、長い髪の毛が首に巻きついて締められるなど苦しみ続けたという。
熊本では、「〇〇(地名)の幽霊」と呼称する事が多くみられます。
◯参考文献
『新熊本市史 別編 第二巻 民俗・文化財』「銭塘の幽霊」
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