飯盛さん【メシモリサン】
◯地域
◯概要
昔、赤鞘の二本差しの武士から飯盛さんが追いかけられていた。桶屋の家にたどりつき、「自分は追いかけられているから、追っ手に教えてくれるな。その代わり自分の所持品を全部あげるから」と言って与え、飯盛山の8合目くらいのところまで逃げた。
するとすぐ後に武士も桶屋のところに来て、さっきの男の行方を尋ね、これをやると大金を与えた。桶屋はそれに眼がくらんで行方を教えたので、武士は追いかけ、遂には殺した。そして飯盛さんが殺されたとき「あの桶屋は7代とは続かせぬ」と呪った。
桶屋は、最初二人からもらった金で大きな家を建てたが、直ぐに火事で焼けてしまい、次は大風で倒壊し、代も3代限りで滅亡してしまった。
幾年か経ち、いち農夫に夢のお告げがあった。「自分は以前殺されたまま、今に至るまで人に頭を踏まれているから頂上に祀ってくれ」という。そこでその頭を探し出して、頂上に祀った。それが今の飯盛さんの祠である。
◯参考文献
民族学会編『民俗学2(8)』濱田隆一「肥後天草郡一丁田村採訪記(下)」民俗学会 1930年
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