みんみん滝【ミンミンダキ】
◯地域
水俣市湯出
◯概要
大窪部落の手前の山中にある巨大な岩の絶壁で、その絶壁には転々と赤い血のようなものがついている。
昔、鬼のような継母は、なにかと継子を亡き者にしようと機会をうかがっていた。
ある日、いつものように山の上に薪を採りに出かけたこの親子は、いつの間にかに高い岩の上に出ていた。下を見ると目も眩む恐ろしさ、もし転げ落ちでもしたら、木端微塵である。そこで継母は何食わぬ様子で「ここへ来てごらん。遠くが見えるよ。遠い遠い村もよく見えるよ」と継子を呼び、子供が岩の端に出たときに思いっきり突き落とした。子供の血は岩に散って染み込んだ。
しばらくして、村人はこの付近を通ると、「見ん見ん見ん」と今まで聞きなれない蝉の声を聞くようになった。これは、哀れな継子が蝉となってもう下は見んぞと鳴いているのだという。
◯参考文献
『管内実態調査書第5(城南編)』熊本県警察本部警務部教養課 1962年
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