清姫【キヨヒメ】
◯地域
◯概要
ある時、1人の乞食が宮の社殿で休んでいると、1匹の蛇が蛙を捕まえて、今にも呑もうとしているのが目についた。そこで乞食は蛙を助けて蛇を殺した。
それから幾100年かの後、その蛇は清姫に生まれかわり、蛙は安珍に生まれ変わった。そして複相変らず、清姫は安珍の後を追うので、安珍はある寺に逃げ込んで坊様達に頼んで大きな釣鐘を下ろしその中に入れてもらった。
清姫はそこに追いついて、本来の大蛇の姿になり、鐘を十重二十重にも巻いて口から火を吐くので、中の安珍は黒焦げになって死んでしまった。
そこへ他所から丁度帰ってきた和尚さんは、坊様達を集めて周囲を取り巻き、お経攻めにして清姫を弱らせ、最後に和尚さんがとどめをさした。その時、俄に非常な大雨が降って来たという。
それから、夏雨が降らずに困る時は、坊様に頼んで大蛇を作って釣鐘を巻き、お経を上げて川に沈めると雨が降ると言われている。
清姫伝説×雨乞い伝説といったところでしょうか。
この地域の伝承では、清姫と安珍の間に前世からの宿縁があったことが冒頭で語られています。
元の安珍清姫伝説では、畜生道に落ちた蛇となった2人が、和尚を尋ねて成仏させてもらうみたいな展開があったように記憶していますが、ここ天草へと伝承される過程で変化していったのでしょうか。
◯参考文献
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