魚売りの神様【サカナウリノカミサマ】
◯地域
◯概要
楠浦村の城ヶ坂という峠に大きな松が立っていて、その下に石が神様として祀ってある。もとはこの石は二、三人腰を下ろすには丁度良い恰好であり、また峠を越す人の休息の為には良い場所でもあるので、誰でも一度は腰を下ろしに行ったものである。
ある晩、楠浦の漁師が夢を見た。それは例の石が、自分を神様として祀ってくれというのであった。そこで漁師は翌朝早速そこへ行きその石を立て注連縄を張り神と崇めて祀った。それから以降、ここを通る楠浦の魚売り達は、その神に魚を投げて行くと、その日は必ず高く売れると言って、今でもそれが行われているという。
◯参考文献
濱田隆一『天草島民俗誌』郷土研究社 1932年
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